睡眠時無呼吸症候群の治療で使われる【CPAP】とは?

中度~重度の睡眠時無呼吸症候群の治療では、CPAPが治療の第一選択になることがほとんどです。CPAPは主に欧米で使われてきましたが、日本でも健康保険が適用されるようになったことで、多くの人の治療に役立てられるようになりました。

では、このCPAPとは一体どんなものなのでしょうか。ここでは、CPAPの効果や使用感、費用などについてご紹介します。

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1.CPAPってどんな治療法?

閉塞型の睡眠時無呼吸症候群は、何らかの要因によって気道がふさがってしまうために発生します。そこで、外部から強制的に空気を送りこんで、その圧力で気道を広げてしまおう!というのがCPAPの考え方です。

具体的には、眠るときに酸素マスクのようなものを鼻に当てて、小型の装置から送り込まれる「空気の圧力」によって気道を広げます。そのために、下図のような装置を取りつけたまま睡眠をとることになります。

「こんなマスクを付けたままで眠りづらくないの?」と思う方も多いかもしれませんが、数週間もたてば慣れることがほとんどのようです。なお、マスクからは部屋の空気がそのまま送りこまれます。

2.CPAPの特徴は「初日から効果が出ること」

CPAPの優れている点は、装着して眠った一日目から無呼吸が軽減されることです。

実際、CPAPを使った初日から「ここ数年で一番ぐっすり眠れた!」という声がよく挙がるようです。これは、CPAPを使うことによって深い眠りが得られるようになったことが関係しています。

無呼吸の症状があると、深い睡眠がとれなくなります。なぜなら、深い眠りに入ろうとしても、酸素不足のせいで脳が覚醒してしまうからです。

● 睡眠時無呼吸症候群にかかっているときの睡眠リズム

しかしCPAPを使えば、気道が広がるため無呼吸が少なくなります。その結果、呼吸が途切れなくなって、深い睡眠に入っていけるようになるのです。

● CPAP装着を装着したときの睡眠リズム

深い眠りが確保できれば、そのぶんスムーズに疲労回復できるようになります。その結果、「日中に強い眠気を感じる」「物事に集中できない」といった症状も消えていきます。

3.無呼吸の根本原因が無くなるわけではない

多くの場合、CPAPを使うことによって睡眠中の無呼吸は大幅に少なくなります。

しかし、ここで覚えておきたいことが1つあります。
「CPAPは無呼吸の症状を改善することはできるけれど、根本的な原因を解消するわけではない」ということです。

たとえば、太ったために喉の内側に脂肪がついて、そのせいで気道がふさがっている場合を考えてみます。

CPAPを使えば、鼻から送り込まれる空気のおかげで、気道は広がります。しかし、のどの内側に付いている脂肪(根本的原因)が消えるわけではありません。

つまり、CPAPはあくまでも対症療法ということです。気道を広げる効果は高いのですが、それはCPAPを使っている間だけ。そのため、ずっと使い続けることが前提です。

補足

CPAPを使いつつ減量にも取りくむ(肥満が原因なら)など、根本的な原因にもアプローチしていけば、最終的にはCPAPを外せるようになる可能性はあります。

4.気になる費用は……?

CPAPは個人で購入することも一応できますが、レンタルして使うことがほとんどです。そのときに重要なのは、保険適用になるかどうかで月々のレンタル費用が大きく変わるということです。

● CPAPをレンタルした場合の料金(目安)

保険適用あり : 約5,000円 / 月
保険適用なし : 約15,000円 / 月

では、保険が適用されるためにはどういった条件があるのでしょうか。それは、「無呼吸の頻度が一定数以上あること」です。

具体的には、無呼吸・低呼吸が1時間の睡眠中に20回以上確認できるとき、保険適用となります
(簡易検査の場合は40回以上)。この回数より少ない場合は、どんな理由があっても保険が適用されませんので、CPAPのレンタル代金がかなり高くつくことになります……。

ちなみに、無呼吸・低呼吸が1時間の睡眠中に20回以上というのは、睡眠時無呼吸症候群の程度としては「中度」に相当します。

● 参考:睡眠時無呼吸症候群の程度

無呼吸・低呼吸が1時間の睡眠の間に
「5~14回」 ⇒ 軽度
「15~29回」 ⇒ 中度
「30回~」  ⇒ 重度

レンタルせずに、CPAPを自己購入するという選択肢も一応あります。しかし、20~30万という大きな費用が必要になります。

また、一言でCPAPといっても、マスクやホースの形状はメーカーによって大きな違いがあります。とくにマスクは合わないものを使うとCPAPの効果が半減してしまうので、個人の判断だけで購入するのは絶対に避けましょう。
(かならず専門の医療機関の判断をあおいでください)

5.CPAPが合わないこともあるので注意!

すべての人にとってCPAPが最善の策なのか?といえば、そうとは言いきれません。CPAPにも欠点があります。

たとえば次のようなものです。

  1. 鼻の通りが悪いと効果が半減してしまう
  2. 慣れるまで時間がかかることもある
  3. のどや顔が乾燥しがちになる
  4. 持ち運びはできても、飛行機内で使うのは難しい

ただし、最近ではCPAPの高機能化が進んでいます。口内乾燥を防ぐために、加湿した空気を送る機能など、従来品の欠点をおぎなうものも出されています。

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