睡眠障害の診断に欠かせない『終夜睡眠ポリグラフ検査』

終夜睡眠ポリグラフ検査は、「睡眠時無呼吸症候群」や「ナルコレプシー」などの睡眠障害を診断するために実施される検査です。

センサーや電極を全身に取りつけたまま8時間ほど眠り、脳波・眼球運動・筋肉の動きなどを測定します。この検査は、世界共通の方法がすでに確立しているので、どの医療機関でも同じような検査が行われます。

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検査項目の詳細

1.脳波

頭部の皮膚に電極を張りつけることで脳波を測定します。これを調べることで、眠りの深さやレム睡眠・ノンレム睡眠の出現タイミングが分かります。

通常、眠り始めの3時間に深いノンレム睡眠が現れますが、何らかの睡眠障害にかかっていると、この時間帯の眠りが浅くなることがあります。
(たとえば、睡眠時無呼吸症状群にかかっている場合など)

● 通常の睡眠リズム

● 睡眠時無呼吸症候群にかかっているときの睡眠リズム

2.眼球の運動

目の周囲に電極をつけて、眼球が動くときに出る電気信号を記録します。眼球の動きが発生するのはレム睡眠のときなので、眼球運動を記録すれば「レム睡眠がいつ現れるか」「どのくらいの頻度で発生するか」が明らかになります。

レム睡眠に関する情報は、ナルコレプシーという睡眠障害を診断するときに欠かせない情報です。

ナルコレプシーとは……

過眠症のひとつで、日中に強烈な睡魔に襲われる病気。車の運転や食事をしている最中にも、突然眠りに落ちてしまう。

通常の睡眠リズムであれば、レム睡眠は寝ついて1時間以上たってから出現します。しかし、ナルコレプシーの睡眠リズムでは、レム睡眠が寝入りばなに出現します。

3.呼吸の状態

鼻と口につけられた呼吸センサーと、胸部の呼吸運動センサーによって空気の流れを調べます。睡眠時無呼吸症候群を判断するときの重要な指標になります。

1時間の睡眠のあいだに、無呼吸や低呼吸が5回以上ある場合、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。

ちなみに、睡眠時無呼吸症候群には「閉塞性」と「中枢性」の2種類があります。どちらのタイプの無呼吸が優勢なのかも、胸部の呼吸運動センサーのデータから判明します。

  • 閉塞型:息をしようとして胸部が動く
  • 中枢型:呼吸の指令自体が止まるので、胸部の動きはなくなる

4.血液中の酸素濃度

指先を洗濯ばさみのようなもので挟み、血液の酸素濃度を測定します。呼吸が浅くなったり止まったりすると血液中の酸素濃度が低下するため、無呼吸の度合いを確認する指標になります。

5.筋肉の活動状態

下あご近くにある「オトガイ筋」や、足のすね付近の「前脛骨筋」に電極を張りつけ、睡眠中の筋肉活動を測定します。

レム睡眠の最中に大声をあげたり暴力的な行動をしてしまう「レム睡眠行動障害」や、寝ているときに足がピクピク動く「周期性四肢運動障害」といった睡眠障害を診断するときに、この筋電図の記録データは欠かせません。

6.心電図

胸部に電極を付けて、心拍数の変化を検出します。これは睡眠障害の診断に用いるというよりも、不整脈や心停止などの非常事態を発見するために使われます。

7.その他

レム睡眠行動障害睡眠時遊行症(いわゆる夢遊病)が疑われる場合は、ビデオ撮影が行われることもあります。

費用やスケジュールについて

終夜睡眠ポリグラフ検査は健康保険が適用になります。費用は3割負担の場合で20,000~30,000円くらいです。
(差額ベッド代などの要因で費用は変わります)

検査は寝ている間に実施されるため、医療機関に一泊する必要があります。ただし翌朝には終わるので、そのまま仕事に行くことが可能です。

● 一般的なタイムスケジュール

20:00 開始
 ↓
(夜間睡眠)
 ↓
6:00 終了

※ 上記はあくまでも目安です。詳細は医療機関によって異なります。
※ 病院によっては、家族と一緒に宿泊できるところもあるようです。

検査ができる医療機関

終夜睡眠ポリグラフ検査は、次の医療機関で受けることができます。

  • 大手病院の睡眠科、睡眠医療科、呼吸器科、耳鼻咽喉科など
  • 睡眠専門のクリニック

※ ナルコレプシーやレム睡眠行動障害など、症例数の少ない病気が疑われる場合は、睡眠障害を専門にしている医療機関に行くのがベストです。

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