不眠症だけじゃない!睡眠障害の種類とタイプ一覧

睡眠障害というと「夜眠る時間になっても寝つけない」「朝起きられない」などの症状を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、それ以外にも睡眠障害には非常にたくさんの種類があります。

このページでは、睡眠障害の種類について詳しくご紹介します。なお、基本的には睡眠障害国際分類(ICSD)にしたがって述べていきます。ただし、分かりやすさ重視でまとめているため、国際分類と異なる点が少しあります。

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1.不眠症

不眠症と睡眠障害は同じものだと誤解されることが多いのですが、この2つは別物です。不眠症は「睡眠障害の一分類」という位置づけです。

では、不眠症は一体どういうなのでしょうか。定義上は『眠るための時間が充分にあるにも関わらず、満足のいく睡眠を得られない状態』のことを不眠症と呼んでいます。ですので、毎日忙しくて睡眠時間が確保できない!というのは不眠症ではありません。

具体的には、不眠症は次の4種類に分けられます。

上記のような不眠の症状が、ある程度の期間と頻度で生じる場合に、不眠症と判断されることになります。
(目安は、期間:1カ月以上、頻度:週に2~3回以上)

不眠症は、そのタイプによって原因が異なる場合が少なくありません。また、いろいろな要因が複雑に絡みあっていることもあります。さらに、異なるタイプの不眠症が同時に発生したりもします(入眠障害+早朝覚醒など)

つまり「一言で不眠症と言っても、その中身は人によってだいぶ違いがある」ということです。自分の不眠症の状態や原因がイマイチ分からないという場合は、睡眠専門医の診察を受けてみることをオススメします。

2.睡眠関連呼吸障害群(すいみんかんれん こきゅうしょうがいぐん)

睡眠関連呼吸障害群は、眠っているあいだの呼吸に関連する睡眠障害です。

睡眠時無呼吸症候群
眠っているあいだに無呼吸・低呼吸になる睡眠障害。閉塞性と中枢性の2種類がある。

睡眠関連低換気/低酸素血症候群
整形外科的な疾患や内科的疾患によって、睡眠中の呼吸がさまたげられる

睡眠時無呼吸症候群は、2000年代にテレビや新聞でしきりに取り上げられたので、耳にしたことのある方は多いと思います。しかし、『閉塞性』と『中枢性』の2種類があることはあまり知られていません。

閉塞性の無呼吸症候群というのは、何らかの理由のために上気道(のどの空気の通り道)がふさがり、睡眠中に呼吸停止を繰りかえすというものです。それに対して中枢性は、脳の呼吸中枢がうまく機能しないために無呼吸になります。

この2つのうち、圧倒的に多いのは閉塞性です。日本では100万人以上の潜在患者がいると言われています。

● 閉塞性の睡眠時無呼吸症候群のイメージ図

呼吸が止まること自体も問題ですが、呼吸停止にともなって脳が瞬間的に覚醒してしまうことも問題です。脳が覚醒すると睡眠が浅くなるため、脳と身体の疲れが完全には回復できなくなります。このことは、日中に強い眠気が生じる原因になります。

● 睡眠時無呼吸症候群にかかっているときの睡眠リズム

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睡眠時無呼吸の治療はいくつか選択肢があります。一番メジャーなのはCPAPと呼ばれる治療法です。これは、特殊なマスクを鼻につけて空気を送り込み、その圧力で気道を押し広げる治療法です。

● CPAPのイメージ

CPAP以外には、特殊なマウスピース(スリープスプリント)の使用や、UPPPと呼ばれる外科手術なども選択肢です。どの方法が向いているのかは、睡眠時無呼吸の重症度にもよります。かならず専門医と相談して、治療方針を決めるようにしましょう。

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3.中枢性過眠症群

不眠症の対極に位置するのが「過眠症」です。次の3種類があります。

  1. ナルコレプシー
  2. 特発性過眠症(とくはつせい かみんしょう)
  3. 反復性過眠症(はんぷくせい かみんしょう)

(※ それぞれの概略は『日中に強烈な睡魔がやってくる『過眠症』の症状&種類とは?』をご覧ください)

どの過眠症の場合でも、日中の活動時間帯に異常なまでの眠気が発生する点は共通しています。

過眠症は有症率があまり高くなく、まだまだ未解明な部分が多くあります。ただ、睡眠医学の発展とともに有効な対策・治療法が発見されつつあります。なお、どのタイプの過眠症も基本的には薬による治療が必要になります。

日中に異常な眠気に襲われるようなら、一度睡眠クリニックなどに足を運んでみましょう。必要に応じて、専門的な検査(終夜睡眠ポリグラフ検査など)が行われます。

4.概日リズム睡眠障害群

概日(がいじつ)リズム睡眠障害は『睡眠のタイミングや時間帯が一般の人と大きくずれる』という睡眠障害です。

概日リズムという言葉は聞いたことがないかもしれませんが、体内時計によって作り出される生体リズムと考えてください。そのリズムに異常があるために、概日リズム睡眠障害は発生します。

概日リズム睡眠障害には次の6つの種類があります。

  1. 睡眠相後退症候群(すいみんそう こうたい しょうこうぐん)
  2. 睡眠相前進症候群(すいみんそう ぜんしん しょうこうぐん)
  3. 非24時間睡眠覚醒症候群(ひ24じかん すいみんかくせい しょうこうぐん)
  4. 不規則型睡眠覚醒パターン(ふきそくがた すいみんかくせい ぱたーん)
  5. 交代勤務睡眠障害
  6. 時差症候群(ジェットラグ症候群)

(※ それぞれの概略については『体内時計が狂うと起こる「概日リズム睡眠障害」はこわい症状』をご覧ください)

概日リズム睡眠障害は、現代病のひとつと言えます。なぜなら、概日リズム睡眠障害の原因には現代特有のものが多いからです。たとえば、夜間に強い光を浴びる頻度が増えたことは、睡眠相後退症候群の原因です。また、社会のリズムが24時間化したことは交代勤務睡眠障害の原因です。

治療方法は、概日リズム睡眠障害の種類によってだいぶ変わってきます。しかし、生活習慣の改善はどのタイプでも必要です。また多くの場合、治療では高照度光療法やメラトニン療法が行われます。

5.睡眠関連運動障害群(すいみんかんれん うんどうしょうがいぐん)

睡眠関連運動障害群には2つのタイプがあります。どちらも「足」に症状が現れるのが特徴です。

むずむず脚症候群(RLS)

足のムズムズ・イライラのせいで睡眠が阻害されるのが「むずむず脚症候群」です。むずむず脚症候群の感覚は人によって異なりますが、しばしば次のように表現されます。

  • 指すような痛み、チクチクした痛みを足に感じる
  • 皮膚の下で小さな虫が動いている感じがする
  • 足の中がほてってしょうがない
  • 足がイライラして眠れない

足のムズムズ・イライラは安静時に出やすいという特徴があります。就寝前にも症状が出やすく、そのせいで寝つきが悪くなります。ま

耐えられないほど症状が強い場合は、総合病院の睡眠外来や、スリープクリニックの医師に相談してみてください。基本的には薬物による治療がおこなわれます。

周期性四肢運動障害(PLMD)

周期性四肢運動障害は、寝ているあいだに足がピクピクと動き、それが周期的に繰り返されるというものです。1時間に50~100回の動作が起こることもあります。

年齢を重ねるとともに発症率が高くなり、60歳以上になると3割くらいの方に周期性四肢運動障害の症状がみられるようになります。

周期性四肢運動障害が発生するのは睡眠中なので、寝つきの良し悪しには関係しません。しかし、睡眠の深さに悪影響をおよぼします。睡眠中に足が動くとその拍子に脳が覚醒するため、深い睡眠をとりにくくなるのです。

深い眠りが減ってしまうと、脳と身体の疲労回復がうまく進みません。その結果、昼間の活動時間に睡魔に襲われてしまいます。

なお、むずむず脚症候群と周期性四肢運動障害は、併発することが多いです。そのため、原因にも共通点があるのではないか? と言われていますが、詳細は分かっていません。

6.睡眠時随伴症群(すいみんじ ずいはんしょうぐん)

睡眠時随伴症群は、眠っているあいだに発生するさまざまな疾患の総称です。睡眠の質やタイミング・時間帯に問題があるというよりも、「睡眠中の行動に問題がある」というものです。

睡眠時随伴症群の症状は、非常に多岐にわたります。代表的な症状は次のとおりです。

  1. 夢遊病
  2. 夜驚症(やきょうしょう)
  3. レム睡眠行動障害
  4. 金縛り
  5. 悪夢障害
  6. 歯ぎしり
  7. 寝言

(※ それぞれの概略は『たくさんの種類がある「睡眠時随伴症」の症状まとめ』をご覧ください)

睡眠時随伴症群は自然治癒することも多いです。しかし、症状が重いときは積極的に治療するほうが賢明です。

まとめ

一言で睡眠障害といってもその種類はたくさんあります。また、症状が似ている睡眠障害も多いため、なかなか個人の力で正確に判断するのは難しいです。

そのため、睡眠障害の程度にもよりますが、専門のクリニックに足を運んでみるのも大切です。病院選びについては「睡眠障害の病院と専門医を探すときに知っておきたいこと」を参考にしてみてください。

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