睡眠時無呼吸症候群のポイントまとめ 【症状や原因、治療方法など】

テレビや雑誌などで取り上げられて有名になった「睡眠時無呼吸症候群」。日本には200万人くらいの潜在的患者がいると言われています。

この病気になったとしても、すぐに健康状態に悪影響が出るわけではありません。しかし、放っておくと数年後の生存率に差が出てくるという統計結果があります。

そんな怖い睡眠時無呼吸症候群ですが、どんな病気なのかを知って、適切な治療をはじめれば、健康への影響を最小限にとどめることができます。

このページでは、睡眠時無呼吸症候群の症状や原因、治療方法などのポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。

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どんな症状が現れる?

睡眠時無呼吸の大きな特徴は、突然止まるいびきです。それまで「ぐぉ~」といびきをかいていたのが、「ぐっ……」という感じで止まります。そして、しばらくすると「グォッッ!」という轟音のようないびきが出ます。

● 睡眠時無呼吸症候群の症状

【1】 寝ている間にいびきをかく
    ↓
【2】 突然いびきが止まる
    ↓
【3】 しばらくたってから、轟音のような強いいびきが出る
    ↓
【4】 1~3の繰り返し

いびきが止まった時には、呼吸も同じに止まっています。専門的には「無呼吸」と「低呼吸」の2つがあり、睡眠時無呼吸の重症度を測るときの指標になっています。

  • 無呼吸:10秒以上にわたって呼吸が止まった状態
  • 低呼吸:呼吸が完全には止まらないが、10秒以上にわたって換気量が半分以下になった状態

無呼吸や低呼吸が起きたとしても、自分で気づくことはまずありません。寝ているあいだの出来事なので、何が起きているのか認識できないのです。

しかし、睡眠中に呼吸が止まったことの影響は、眠りから覚めたあとに現れます。代表的なのは「日中の眠気」です。睡眠時無呼吸症候群の方のほとんどが、昼間に強い眠気を感じると言われています。

では、なぜ睡眠時無呼吸症候群が日中の眠気を引き起こすのでしょうか。それは、夜間に深い睡眠がとれなくなるからです。

無呼吸・低呼吸が起こるというのは、言いかえれば酸欠状態になるということです。そして、酸素が足りないというのは人間にとって危険な状態です。そのため、瞬間的に目を覚まして危険を回避しようとします。
(目が覚めるといっても、本人は自覚できないレベルの覚醒です)

深い睡眠に入ろうとしているタイミングで、無呼吸が起きればどうなるでしょうか。瞬間的に睡眠が途切れるため、深い眠りに入っていけなくなります。

次の図は、眠りの深さと睡眠時間の関係を示したものです。まず正常な睡眠リズムについてですが、眠り始めの3時間に深い睡眠が現れるのが特徴です。

● 正常な睡眠リズム

しかし、睡眠時無呼吸症候群の方は、この深い睡眠がほとんど現れません。つまり「睡眠時無呼吸症候群にかかっていると睡眠が極端に浅くなってしまう」ということです。

● 睡眠時無呼吸症候群の睡眠リズム

睡眠時無呼吸症候群の定義とレベル

次のような頻度で呼吸が止まるようなら、睡眠時無呼吸症候群にかかっていると考えられます。

1時間の睡眠のあいだに、無呼吸や低呼吸が5回以上発生する
(もしくは7時間以上の睡眠中に、無呼吸や低呼吸がトータル30回以上発生)

また、睡眠時無呼吸症候群には「軽度」「中度」「重度」という3つのレベルがあります。それぞれの定義は次のようなものです。

  • 【軽度】睡眠1時間につき、無呼吸・低呼吸が5回以上~15回未満
  • 【中度】睡眠1時間につき、無呼吸・低呼吸が15回以上~30回未満
  • 【重度】睡眠1時間につき、無呼吸・低呼吸が30回以上

無呼吸や低呼吸が、一晩に数回起きる程度であれば気にしなくても大丈夫です。実際、健康な人でも一晩に5回くらいの無呼吸は発生していると言われています。

しかし、ひんぱんに呼吸が止まるようだと問題です。呼吸が止まるたびに覚醒状態になり、深い睡眠がとれなくなります。そして、その影響は日中の強烈な眠気という形で現れます。

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『閉塞型』と『中枢型』の違い

睡眠時無呼吸症候群には『閉塞型』と『中枢型』の2種類があります。呼吸が停止するという特徴は共通していますが、発生するメカニズムは異なっています。

●閉塞型

何らかの理由によって、のどにある空気の通り道(気道)がふさがってしまい、息をしようとしてもできなくなる、というものです。

●中枢型

延髄(えんずい)にある呼吸中枢に異常が起きて、呼吸指令を出さなくなるために呼吸が停止してしまう、というものです。脳に障害を持っていたり、心疾患を抱えていたりする方に比較的多くみられます。

一般的に睡眠時無呼吸症候群というときは閉塞型のことを指します。これは、睡眠時無呼吸症候群の9割近くが閉塞型だからです。このページでも閉塞型について述べていきます。

(中枢型については、いびきが少ない睡眠時無呼吸症候群は『中枢型』タイプをご覧ください)

呼吸が止まる原因とは?

先に述べたとおり、閉塞型タイプの場合は「気道がせまくなること」によって無呼吸が発生します。

では、気道がせまくなる原因は何なのでしょうか。代表的なのは次の3つです。

  • のどの内側に付いた「脂肪」
  • 日本人特有の「顔の骨格」
  • 扁桃が肥大している

この中で一番多いのは、のどの内側に付いた脂肪によって気道がふさがれることです。のどの内側に脂肪が付くのは太りすぎによる影響です。睡眠時無呼吸症候群の方の7割がBMI25以上という統計結果があることからも、肥満が深く関係していることが分かります。

また、無呼吸のせいで睡眠が浅くなると、結果的に睡眠不足と同じ状態になりますが、これはさらなる肥満をまねきます。なぜなら、睡眠不足が続くと太りやすくなるからです。

高血圧や高血糖につながる危険性も!

睡眠時無呼吸症候群は、日中の眠気を引きおこすだけではありません。さまざまな悪影響を身体におよぼします。

その中でも、とくに気をつけたいのが高血圧です。睡眠時無呼吸の症状があると、高血圧になる確率が50%以上になると言われているからです。

血圧は、薬を使うことによってある程度コントロールできます。しかし睡眠時無呼吸症候群を改善すれば、さらにコントロールしやすくなります。

病院に行くときは睡眠を専門としている機関へ

睡眠時無呼吸症候群が疑われるときは、まず病院に行きましょう。そのときの注意点は、単純ないびき治療は耳鼻咽喉科の領域ですが、無呼吸はそうではないことです。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠障害に分類されています。ですので、基本的には睡眠障害を専門に診ている医療機関に行くのがベターと言えます。
(睡眠障害クリニックや大手病院の睡眠外来など)

ほとんどの場合、初診のあとに簡易睡眠モニターを貸してもらえるはずです。それを自宅で使って、呼吸停止がどのくらいの頻度で起こるのか確認することになります。

なお、初診は家族と一緒に行くのが理想です。本人よりも周囲の人のほうが、症状を把握していることが多いからです。

治療の選択肢は3つある

睡眠時無呼吸をもたらす原因によってアプローチは異なりますが、一般的には次の3つの中から治療方法が決まります。

1.CPAP

眠るときに酸素マスクのようなものを鼻に当てて、小型の装置から送り込まれる「空気の圧力」によって気道を広げます。

2.スリープスプリント

特殊なマウスピースを装着することで気道を広くします。このマウスピースは下あごを強制的に前方向に出す働きがあるので、のどの内部に広いスペースを確保できるようになります。

3.手術(UPPP)

気道をふさいでいる要因を、手術によって物理的に取りのぞきます。

また、肥満が関係している場合、CPAPなどの器具を使いつつ減量に取りくむことも大切です。そうすれば、器具なしでも無呼吸が発生しなくなる日がやってくるはずです。

終わりに

睡眠時無呼吸症候群に限ったことではないですが、とにかく早期に対策をすることです。軽度のうちなら、特別な器具を使わずに、生活習慣を改善するだけで済む可能性も充分にあります。

寝室を共にしている人から「寝てるとき息止まってたよ……」と指摘されたら、まずは睡眠関係の医療機関に行きましょう。

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