なぜ睡眠時無呼吸症候群になってしまう? その3つの原因と治療法

睡眠時無呼吸症候群には「閉塞型」と「中枢型」の2種類がありますが、睡眠時無呼吸症候群にかかっている方の9割以上は閉塞型タイプと言われています。

閉塞型の無呼吸は、その名のとおり、気道が閉塞することで発生します。気道というのは鼻・口からのどにかけて空気が通る場所ですが、ここが何らかの原因によってふさがれてしまうと、呼吸しようとしても空気が通らなくなります。

では、気道がふさがってしまう原因は何なのでしょうか。大きく分けて、3つの原因があるとされています。

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1.のどの内側に付いた「脂肪」

いびきはなぜ起こる? その原因は気道がせまくなること!」でも述べましたが、太ることによって喉の内側に脂肪が付くと、そのぶんだけ気道がせまくなります。

のどに脂肪が付いたとしても、通常はそれほど気にする必要はありません。多少、いびきをかきやすくなる程度で済みます。

しかし、長年の不摂生などの影響で脂肪が積み重なれば、完全に気道を閉塞させるレベルに達します。そうなるといびきをかくだけでは済まず、無呼吸も引き起こされることになります。

「20代の頃はいびきをかかなかったのに、30~40代でいびきをかくようになった。そして無呼吸にまで発展してしまった……」
こういう場合は、昔と比べて肥満体型になっていることが多々あります。

ちなみに、太りすぎると喉だけでなく舌にも脂肪がつきます。これも当然、気道を閉塞させる原因になります。

BMI25を超えないように!

では、どのくらい太ると睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクが高まるのでしょうか。

日本人の場合、「睡眠時無呼吸症候群の方の7割がBMI25以上」という統計結果がありますので、これをひとつの目安にするのが良さそうです。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

参考までに、身長・体重・BMIの数値を載せておきます。

身長 体重 BMI
150 cm 45 kg 20
150 cm 50 kg 22
150 cm 56 kg 25
150 cm 61 kg 27
150 cm 68 kg 30
身長 体重 BMI
155 cm 48 kg 20
155 cm 53 kg 22
155 cm 60 kg 25
155 cm 65 kg 27
155 cm 72 kg 30
身長 体重 BMI
160 cm 51 kg 20
160 cm 56 kg 22
160 cm 64 kg 25
160 cm 69 kg 27
160 cm 77 kg 30
身長 体重 BMI
165 cm 54 kg 20
165 cm 60 kg 22
165 cm 68 kg 25
165 cm 74 kg 27
165 cm 82 kg 30
身長 体重 BMI
170 cm 58 kg 20
170 cm 64 kg 22
170 cm 72 kg 25
170 cm 78 kg 27
170 cm 87 kg 30
身長 体重 BMI
175 cm 61 kg 20
175 cm 67 kg 22
175 cm 77 kg 25
175 cm 83 kg 27
175 cm 92 kg 30
身長 体重 BMI
180 cm 65 kg 20
180 cm 71 kg 22
180 cm 81 kg 25
180 cm 87 kg 27
180 cm 97 kg 30

減量しながらCPAPも使う

太っているために睡眠時無呼吸症候群が発生しているなら、基本的には減量するしかありません。しかし、減量には時間がかかります。半年以上のスパンで取り組まなければ、成功は難しいはずです。

そこで、あくまでも対症療法ですがCPAPを使うことも視野に入れましょう。とくに重度の睡眠時無呼吸には、CPAPが効果を発揮します。

もちろん、CPAPを使いつつも根気よく減量を続けるのがベストです。減量のやり方は人それぞれだと思いますが、取りくみやすい方法を下記ページで述べていますので、参考にしてみてください。

2.日本人特有の「顔の骨格」

日本とアメリカを比較した調査によって、次のことが明らかにされています。

肥満率は、日本よりもアメリカの方が明らかに高い。それにも関わらず、睡眠時無呼吸症候群にかかっている人の割合は同じくらいである(人口の2%程度)。

この調査結果は、太っていること以外にも睡眠時無呼吸を引きおこす要因があることを示しています。

では、その要因とは一体なんなのでしょうか。

それは、日本人特有の顔の骨格です。欧米人に比べると、日本人はあごが後退していたり、あごが小さかったりする人の割合が高いのです。これは、舌の位置が気道近くに寄ることを意味します。舌が気道に寄れば、そのぶんだけ気道の広さは損なわれるため、無呼吸が起きやすくなります。

日本人の場合、睡眠時無呼吸症候群の3~4割は、顔の骨格が関係していると言われています。ただし、骨格の影響だけで無呼吸になるわけではなく、先に述べた「のどに付いた脂肪」も合わせて原因になっている、というパターンが多いようです。

では、あごの骨格が睡眠時無呼吸の原因になっているときは、どうやって改善すればいいのでしょうか。

改善策としては、CPAPかスリープスプリントが挙げられます。スリープスプリントは特殊なマウスピースです。下あごを前方向に出す働きがあるため、顔の骨格が無呼吸に関係している場合は効果が出やすいとされています。
(根本的に骨格を変えられるわけではありません。あくまでも対症療法です)

3.扁桃が肥大している

睡眠時無呼吸症候群は、すでに述べたとおり肥満体形と顔の骨格が主な原因です。しかし、扁桃(へんとう)肥大による影響も見逃せません。

扁桃には、のどの上の方にある咽頭扁桃と、口蓋垂(こうがいすい)の左右にある口蓋扁桃、舌の付け根にある舌扁桃の3種類があります。この3つのうち、無呼吸に深く関わるのは口蓋扁桃です。

睡眠時無呼吸症候群にかかっている方の1~2割に、口蓋扁桃肥大がみられるそうです。

では、なぜ口蓋扁桃が肥大してしまうのでしょうか。

その原因は一概には言えません。もともとの体質が関係している可能性もあります。また、成人後に急性扁桃炎になったことが、口蓋扁桃の肥大させる場合もあるようです。

口蓋扁桃が無呼吸を引きおこしているときは、手術で扁桃を切除してしまうのが一番効果的とされています。よく行われるのはUPPPという手術で、睡眠時無呼吸症候群を治療する手術としては一番メジャーなものです。

手術がからだの負担になるのは事実ですが、長期にわたって無呼吸の症状を抱えているほうが、身体に悪影響をおよぼします(高血圧や高血糖などにつながるので)。

ただし、手術だけで睡眠時無呼吸が完全に治るかといえば、そうは言い切れないというのも事実です。なぜなら、前述の肥満体型や顔の骨格といった要因も背後に隠れていることがあるからです。複合的な要因によって無呼吸が発生している場合、原因をひとつだけ取りのぞいても、症状が完全になくなるわけではありません。

UPPPに代表される手術をするのか、それともCPAPなどの対症療法から始めるのか、睡眠時無呼吸症候群の治療方法にはいくつかの選択肢があります。専門医とよく話し合って、治療方針を決めるようにしましょう。

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注意

子供の場合、口蓋扁桃ではなく咽頭扁桃(アデノイド)が大きい・腫れていることが、睡眠時無呼吸を引きおこすことがあります。

これを放っておくと成長に重大な影響をおよぼしますので、手術で取りのぞくようにしてください。

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