睡眠時無呼吸症候群が高血圧を引きおこす? そのメカニズムや改善策など

睡眠時無呼吸症候群にかかっている人は、高血圧になりやすいことが知られています。一説によると、睡眠時無呼吸の症状がある場合、高血圧になる確率は50%以上にものぼると言われています。

では、なぜ睡眠時無呼吸症候群だと高血圧になりやすいのでしょうか。これを理解するには、まず交感神経と副交感神経のはたらきを知る必要があります。

スポンサーリンク

血圧をコントロールする2つの神経

人間の血圧コントロールに深くかかわっているのが自律神経です。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類がありますが、一言でいうと、交感神経には身体を活動モードにする働きがあり、副交感神経には身体を休息モードにする働きがあります。

特徴 交感神経 副交感神経
主な働き 身体を活動モードにする 身体を休息モードにする
優位になる時間帯 起きている時に優位になる 眠っている時に優位になる
血圧 上げる 下げる
血糖値 上げる 下げる
血管 収縮させる 拡張させる

通常、寝ているあいだは副交感神経が優位になります。これは体をしっかり休ませるためです。副交感神経が優位になると、内臓の働きや筋肉の動きが少なくなり、脈拍や血圧なども下がります。

その一方、交感神経が優位になるのは「朝起きてから」です。ベッドから出て一日の活動を始めるにつれて交感神経が優位になり、その結果として血圧も上がっていきます。

つまり、「寝ているときは血圧が下がっているのが普通で、血圧が上がり始めるのは朝起きてから」ということです。

寝ているあいだに血圧が下がらなくなる!

睡眠時無呼吸症候群にかかっていると、たとえ睡眠中でも血圧が思うように下がらなくなります。なぜなら、本来寝ているときには休んでいるはずの交感神経が、睡眠中にもかかわらず活発に働いてしまうからです。

なぜ交感神経が活発になってしまうのかというと、それには次のようなメカニズムが関係しています。

① 睡眠中に無呼吸が発生する

② 体内の酸素が足りなくなる

③ 脳がそれを危険な状態と判断する

④ 危険を回避するために、交感神経のスイッチを作動させる

⑤ 身体が活動モードに切りかわる

血圧が上昇してしまう!

健康な人でも、一晩に数回の無呼吸は発生しています。数回くらいであれば血圧にほとんど影響しないので、心配する必要もありません。

しかし睡眠時無呼吸症候群にかかっていると、一晩あたり数十回の無呼吸が現れる場合もあります。何度も無呼吸をくり返すわけですから、ひんぱんに交感神経のスイッチが入ります。当然、血圧が下がる暇はありません。

さらに悪いことに、眠っているあいだの高血圧は、日中の血圧にも悪影響をおよぼします。

通常、朝起きてから時間がたつにつれて血圧は上昇していきますが、睡眠時無呼吸症候群の症状がある方は、朝起きたときにすでに血圧が高くなっています。そして、そこからさらに血圧が上がっていくので、ずっと血圧が高い状態で一日を過ごすことになってしまうのです。

睡眠時の無呼吸を治せば、血圧もおだやかになる

高血圧は、降圧剤によって和らげることができますが、これは対症療法でしかありません。つまり、高血圧を引きおこしている根本原因を退治してくれるわけではないのです。

もし睡眠時の無呼吸が高血圧を引きおこしているのであれば、降圧剤を服用しつつ、睡眠時無呼吸も合わせて治療していくのが最善の策です。

なお、睡眠時無呼吸症候群の治療法は以下の3つが主流になっています。

また、「そもそも自分が睡眠時無呼吸症候群がどうか分からない」という場合は、睡眠専門のクリニックや大手病院の睡眠外来に行ってみるのが先決です。

通常、簡易検査器(パルスオキシメーターなど)を病院から借りて、自宅で検査することになります。その結果、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、病院に一晩泊まって「終夜睡眠ポリグラフ検査」というものを行い、睡眠時無呼吸の度合を確認します。

毎日の血圧チェックも欠かさずに!

2003年のWHOのガイドラインによると、日本における高血圧の基準は次のように定義されています。

  • 最高血圧(収縮時血圧)が140mmHg以上
  • 最低血圧(拡張時血圧)が90mmHg以上

※ どちらか一方に当てはまると高血圧

この数値に達していないか、朝起きたときにチェックするのを日課にしましょう。数値を見ることによって血圧に対する意識も変わってきます。
(ダイエットするときに毎日体重を確認するのと同じような理屈です)

最近では、家庭用の検査器でも精度のいいものが出されているので、家にひとつ常備しておくようにしましょう!

● 参考:WHOの血圧判定基準(2003)

スポンサーリンク
スポンサーリンク

「睡眠時無呼吸症候群」に関するページ一覧

ページの先頭へ