睡眠時無呼吸のせいで夜中に覚醒すると、身体にどんな悪影響があるのか

1990年代あたりから注目されるようになった睡眠障害、それが睡眠時無呼吸症候群です。この睡眠障害は、眠っているあいだに呼吸がひんぱんに止まり、そのせいで睡眠が浅くなってしまう病気です。

しかし、単に睡眠が浅くなるだけではありません。実は、睡眠時無呼吸症候群はさまざまな病気を引き起こす元凶でもあるのです。

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睡眠時の無呼吸が引き起こすさまざま病気

睡眠時無呼吸症候群が私たちの身体にどんな影響を及ぼすのかというと、具体的には次のとおりです。

こうして見ると実にたくさんの症状と関係していることが分かると思います。その中でも最大のポイントは「夜中に覚醒すること」が高血圧や高血糖といった危険な症状を誘発することです。

なぜ高血圧や高血糖をまねくのか?

夜中に覚醒すると、どうして高血圧や高血糖につながるのでしょうか。それを理解するには「自律神経」の動きを知る必要があります。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。一言でいうと、交感神経は身体を活動モードにし、副交感神経は身体を休息モードにします。

特徴 交感神経 副交感神経
主な働き 身体を活動モードにする 身体を休息モードにする
優位になる時間帯 起きている時に優位になる 眠っている時に優位になる
血圧 上げる 下げる
血糖値 上げる 下げる
血管 収縮させる 拡張させる

通常、日中に起きて活動しているときは交感神経が優位になります。これは血糖値や血圧を上げることによって、日中の活動をサポートするためです。

[起きている間は交感神経がON]

それに対して、寝ているあいだは体をしっかり休ませるために、副交感神経が優位になります。

[眠っている間は副交感神経がON]

しかし、睡眠時無呼吸症候群にかかっていると自律神経の切り替えが不安定になります。せっかく副交感神経が優位になって体が休んでいたのに、無呼吸のせいで覚醒してしまい交感神経のスイッチが入ってしまうのです。

交感神経が活発になるとノルアドレナリンというホルモンが分泌されますが、睡眠中にこのホルモンが出るのが良くありません。なぜなら、ノルアドレナリンには次の3つの作用があるからです。

  • 血圧を上げる
  • 血糖値を上げる
  • 血中の脂質濃度を上げる

つまり、睡眠中に呼吸が止まってひんぱんに覚醒してしまうと「ノルアドレナリンの影響のせいで血圧や血糖値、血中脂質がずっと高いままになる」ということです。

ノルアドレナリンは「日中起きているとき」には人間の活動をサポートするために必要です。しかし、睡眠中は身体を休ませる時間帯ですので、寝ている間にノルアドレナリンが分泌されすぎると身体の負担になります。

注意

睡眠時無呼吸で目が覚めるときは、瞬間的に覚醒するだけです。「夜中に目が覚めてしまった」という自覚症状は得られません。

自分ではぐっすり眠ったと思っているのに、実際は無呼吸のせいで眠れていなかった……ということもありうるので、注意が必要です。

生存率にも関係してくる……!?

「血糖値や血圧に関係しているといっても、気にするほどの影響はないんじゃない?」と考える方もいるかもしれません。

しかし睡眠時無呼吸症候群は、場合によっては命にかかわるほど危ない病気です。

アメリカで実施された調査によると、重度の睡眠時無呼吸症候群にかかっている方は、経過年数がたつにつれて生存率が大きく下がることが示されています。

無呼吸の症状が重度だと、6年経過の時点で生存率が80%、そして8年経過すると60%まで生存率が落ちています。すべてが睡眠時無呼吸症候群のせいとは言い切れませんが、生存率にある程度の影響を与えることは間違いありません。

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