睡眠不足のせいで太りやすくなるのは本当

睡眠時間が少ないと、起きて活動している時間が長いためダイエットに良さそうに思えますが、実際は逆です。睡眠不足だと太りやすくなることが、近年の睡眠関係の研究で明らかになっています。

たとえば、コロンビア大学の研究チームが実施した、8000名以上を対象とした調査では、次のような結果がでています。

「一般的な睡眠時間(7~9時間)にくらべて極端に睡眠時間が短いと、太りやすさの指数が50%も上がる」

● 睡眠時間と太りやすさの関係

では、なぜ睡眠不足だと太りやすくなるのでしょうか。そのメカニズムは完全には判明していませんが、「レプチン」と「グレリン」というホルモンが関係していると言われています。

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食欲と関係のあるレプチン&グレリン

レプチンもグレリンも、人間の身体のなかで分泌されるホルモンの一種です。その特徴は、食欲のコントロールに深く関係していることです。

レプチン
脂肪細胞から分泌されるホルモンで、食欲をおさえる働きがある。

グレリン
胃から分泌されるホルモンで、食欲を高める働きがある。

通常、この2つのホルモンはお互いにバランスを取りあいながら、食欲を制御しています。そのため、正常に分泌されているなら何も問題はありません。

しかし、睡眠不足になるとホルモンバランスが崩れます。具体的には、レプチンの分泌は減り、グレリンの分泌は増えます。

血中レプチン濃度と睡眠時間の関係図
血中グレリン濃度と睡眠時間の関係図

参考:Taheri S. et al. PloS Med 2004

つまり、睡眠が不足すると、

  • レプチンの分泌が減る ⇒ 食欲が抑えられなくなる
  • グレリンの分泌が増える ⇒ 食欲が普段よりも増える

ということです。この2つの影響で普段よりも過剰に食べてしまい、その結果太りやすくなるのです。

さらに、睡眠が足りていない人は往々にして夜型の生活をしています。「夕食のあとに長い時間起きているため、夜食をとる回数が増える」というのも、太りやすくなる原因のひとつです。

また、寝不足のときには炭水化物を多く食べたくなるそうです。夜遅くにカップ麺やポテトチップスなどを無性に食べたくなるとしたら、それは睡眠が不足しているサインかもしれません。

ちなみに私の場合は、睡眠が足りていないとチョコレートを食べたくて我慢できなくなります。これもレプチン・グレリンの影響なのかもしれません(自分に甘いだけかもしれませんが……)。

補足

グレリンの分泌量は、ストレスを感じたときにも増えることが分かっています。「精神的ストレスのせいでドカ食いしてしまう」という現象には、グレリンの働きが関係していることも示唆されています。

子ども時代の睡眠不足が将来の肥満につながる!?

睡眠と肥満にどんな関係があるか、富山大学が実施した調査研究があります。この研究が興味深いのは、3歳のときの睡眠時間と、その10年後(中学1年生)の肥満率を調査したところです。

脳に効く「睡眠学」/ 宮崎総一郎(角川SSC新書)を元に作成]

一般的に、3歳児が必要とする睡眠時間は10~12時間と考えられています。これよりも睡眠時間が大幅に少ないと(たとえば9時間未満)、将来肥満になる確率が高いことが示唆されています。

では、なぜ幼児のときの睡眠不足が、将来の肥満につながるのでしょうか。その因果関係は完全には分かっていません。しかし、睡眠不足のせいでレプチン・グレリンの分泌が乱れつづけて、過食傾向が常態化してしまった……という可能性はあります。

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