早朝覚醒に使われる睡眠薬の種類と注意点

「夜の寝つきはいいけれど、朝早く目が覚めてしまう」というタイプの不眠症があります。これは早朝覚醒と呼ばれています。朝の4~5時には目が覚めてしまい、そのあと再入眠できない……というのが主な症状です。

一般的な不眠症のイメージ(夜になっても眠れない)とは異なるものの、れっきとした不眠症のひとつです。

実は、早朝覚醒は50~60歳くらいになれば誰にでも起こります。そのくらいの年齢になると体内時計の周期が短くなるため、自然と早く目が覚めるようになります。(詳細は早朝覚醒の原因)。日中の活動に支障が出ないなら、とくに対策をする必要もありません。

しかし、早すぎる起床のせいで昼間に眠くなったり、集中力が保てなくなったりするなら問題です。そういうときは、睡眠薬を使うのもひとつの解決策になります。睡眠薬というと、「夜になっても眠れない人が使う薬」というイメージが浸透していますが、早朝覚醒の防止にも使われています。

ただし、睡眠薬にはいろいろな種類があり、入眠をサポートする睡眠薬と、早朝覚醒を防ぐ睡眠薬は異なっています。そして、注意すべき副作用にも大きな違いがあります。

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使うべき睡眠薬は「持続時間の長いタイプ」

早朝覚醒を抑えるためには、睡眠薬の持続時間に気をつける必要があります。薬の効果がすぐに切れてしまったら、朝方に目が覚めるのを防ぐことはできません。短時間で効果が消失する薬はNGです。朝までしっかり効果が途切れない、持続時間が長い薬を選択するのが重要です。

睡眠薬の持続時間は、次の4種類に分けられます。

  • 超短時間作用型
  • 短時間作用型
  • 中間作用型
  • 長時間作用型

この中で早朝覚醒に適しているのは、中間作用型と長時間作用型の睡眠薬です。体内で分解されるまでに時間がかかるので、朝方まで睡眠作用がしっかり残ります。

種類 持続時間 適用の目安
入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒
超短時間作用型 3~4時間
短時間作用型 5~6時間
中間作用型 7~8時間
長時間作用型 9~10時間

なお、持続時間の短い「超短時間作用型」や「短時間作用型」は、3~6時間で大部分の効果が失われます。そのため早朝覚醒には向きません。ただし、入眠障害(=夜寝つけない)には大きな効果を発揮します。
(詳細:入眠障害向けの睡眠薬の選び方

ちなみに、現在主流になっているのは超短時間作用型の睡眠薬です(マイスリーやルネスタなど)。新薬が登場しているのも超短時間作用型ばかりです。それに比べて、中間作用型や長時間作用型の睡眠薬は、何十年も前から使われているものが大半を占めます。

新しい薬のほうが、効果も安全性も高いように思えるかもしれません。しかし、そもそも持続時間が短ければ早朝覚醒には向きません。たとえ古い薬だとしても、まずは持続時間が長いものを選ぶのが賢明です。

●参考:睡眠薬の持続時間のイメージ図

具体的な薬とその特徴

早朝覚醒の対策で使われる「中間作用型」「長時間作用型」の睡眠薬一覧です。

分類 商品名 薬剤名 最高血中濃度到達時間 消失半減期
中間
作用型
サイレース
ロヒプノール
フルニトラゼパム 1~2時間 7~15時間
ベンザリン
ネルボン
ニトラゼパム 2時間 21~25時間
長時間
作用型
ドラール クアゼパム 3~4時間 37時間
ダルメート
ベノジール
フルラゼパム 1~8時間 65時間
ソメリン ハロキサゾラム 2~4時間 42時間~

多くの場合、長時間作用型のドラールが第一選択になると思います。なぜかというと、睡眠作用が強いわりには、筋弛緩作用が弱めだからです。

睡眠薬には多かれ少なかれ筋弛緩作用がつきものです。この作用が強いと、朝起きたときに筋肉に力が入りにくくなります。

とくに高齢者の場合、筋弛緩作用のせいでベッドから起き上がった拍子に転倒しないよう、充分注意する必要があります。転倒して脚や骨盤などを骨折したら、寝たきりの生活になる可能性もあります。睡眠薬なんて使わないほうが良かった……という結果にもなりかねません。

ただでさえ早朝覚醒向けの睡眠薬は持続時間が長いため、朝起きたあとも薬の影響が残りやすいです。「薬がどれだけ効くか?」も大事ですが「どのくらい影響が残ってしまうのか?」も早朝覚醒の薬選びでは重要なのです。

その点で、筋弛緩作用が弱いドラールは優れていると言えます(もちろん、薬の合う・合わないは個人差が大きいので、ドラールが合わない人もいます)

ちなみに、上表の薬のなかで睡眠作用が一番強力なのは、おそらくサイレースとロヒプノールです。抗不安作用も強く、不安感をともなう不眠にも有効です。ただ、中間作用型なので持続時間はやや短めです。朝方に目が覚めるというよりは、夜中に目が覚める症状(=中途覚醒)に向いている薬だと思います。

なお、薬の持ち越しが日中まで続くようなら、作用時間の短い睡眠薬に切り替えていくのもアリです。長時間作用型→中間作用型→短時間作用型……というように、少しずつ作用時間を短くして、「早朝覚醒を防ぎつつも日中に影響が出ない薬」を探していきます。体質的に薬の代謝が遅い人の場合、超短時間型の睡眠薬(マイスリーやアモバンなど)が一番しっくりくる可能性もあります。

薬が体内に蓄積されていくことに注意!

早朝覚醒に使われる睡眠薬(中間作用型と長時間作用型)には、大きな欠点があります。それは「連日服用すると体内に薬が蓄積されていく」という点です。

睡眠薬の効果が持続する時間は、

  • 中間作用型:7~8時間
  • 長時間作用型:9~10時間

というのが目安です。長時間作用型でも10時間くらいで薬の睡眠作用が切れます。そのため、10時間たてば薬が身体から全部出ていくようにも思えます。

しかし、実際はそうではありません。睡眠作用が消失するのと、薬が体内から抜けるのは別の話だからです。眠気が感じられなくなっても、薬は体内にしっかり残っているのです。

中間作用型と長時間作用型の睡眠薬は、24時間たっても体内から完全には出ていきません。そのため、前日飲んだ薬がまだ分解されないうちに、次の薬を服用することになります。それを続ければ、日がたつにつれて薬が蓄積していきます。

もちろん、連用したとしても無限に蓄積するわけではありません。ある程度の濃度で落ちつきます。また、有効濃度以下に収まっているなら日中の眠気を引きおこす可能性も少ないです。

しかし、薬が体から抜けきっていない以上、何らかの影響はあります。一番多いのは運動能力と認知力の低下です。それに気づかないまま車の運転をしてしまうこともあります。薬の体内濃度が一定になると、それが普通の状態になってしまい、運動能力や認知力の低下を自覚しにくいのです。

中間作用型と長時間作用型の睡眠薬を服用している最中は、たとえ日中の活動に影響を感じていなくても、車の運転は控えるようにしましょう。

補足

不眠の症状がつらいなら睡眠薬を使うのはひとつの手段ですが、早朝覚醒に関しては、薬の服用には慎重になったほうが賢明かもしれません。服用しすぎると翌日の活動にすぐに影響が出てしまうからです。

早朝覚醒を改善するために取りくみたい3つの対策で述べたような改善策にも合わせて取り組むようにして、できるだけ薬の量を減らすのも大切なことと言えます。

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