持病と薬の影響でむずむず脚症候群になる

むずむず脚症候群は、脳内のドーパミンがうまく伝達されないことが原因のひとつと言われています。

しかし、それ以外にもこの病気になる要因があります。それは、特定の持病や薬です。年齢の上昇にともなってむずむず脚症候群の発症数が上がるのも、さまざまな持病を抱えたり使用する薬が増えたりすることが関係しています。

このページでは、むずむず脚症候群の引き金となる持病・薬剤についてご紹介します。

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1.腎機能障害

むずむず脚症候群は腎機能に障害があると発症しやすく、透析をしている方の発症率は2割を超えると言われています[※1]。症状の度合も重くなりがちで、足の違和感のせいで眠れない夜を過ごしている方も多いようです。

腎機能に障害があるときに一番気をつけたいのは、むずむず脚の治療薬との相互作用です。

通常、プラミペキソール〈商品名:ビ・シフロール〉という薬がむずむず脚治療薬として使われます。しかし、この薬は腎臓で排出される薬です。腎機能障害がある場合には、体外へスムーズに出ていかないため、血液中の薬剤濃度が思うように下がりません。このことは、副作用が強烈に出る危険性が高いことを意味しますので、注意が必要です。

それに対して、タリペキソール〈商品名:ドミン〉やロピニロール〈商品名:レキップ〉などの薬は肝臓で排出されるタイプなので服用できます。そのほか、近年実用化されたロチゴニンの貼付剤〈商品名:ニュープロパッチ〉も選択肢として残ります。

むずむず脚症候群を改善するために使われる薬は3種類ある

なお、「腎臓の働きが低下すること」と「むずむず脚症候群が起きること」の因果関係は、今のところ明確には分かっていません。

※1:レストレスレッグス症候群 / 井上雄一 P.126 による]

2.パーキンソン病

パーキンソン病は「手足がふるえる」「動作が遅くなる」「筋肉が固くなる」といった症状が現れる病気です。65歳以上の方に多く見られます。

この病気は脳内のドーパミンの機能障害が関係しているという点で、むずむず脚症候群と似ています。2006年の研究では、「パーキンソン病患者さんの約12%に、むずむず脚症候群の症状が見られる」という結果が出ています[※2]

しかし、むずむず脚症候群になるとパーキンソン病が発症する確率も上がるのか?というとそれは違います。あくまでも「パーキンソン病になると、むずむず脚症候群の発症確率が上がる」ということだけが成り立ちます。
(逆は成り立たない、ということ)

パーキンソン病の治療にはドーパミン受容体作動薬やドーパミン製剤などがよく使われますが、これらの薬にはむずむず脚症候群をおさえる効果もあります。

ただし、思うような効果が得られない場合もあります。そういうときは、ドーパミンに関する薬ではなく、抗てんかん薬(ガバペンチンなど)を使うのもひとつの手段です。

※2:睡眠医療 特集 レストレスレッグス症候群を巡る最近の話題 P.52 による]

3.抗うつ剤

三環系抗うつ薬やSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)といった薬も、むずむず脚症候群を引きおこす原因になります。

これらの薬は、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」や「ノルアドレナリン」の分泌・伝達に手を加えるものです。本来、ドーパミン伝達に影響する薬ではありません。

しかし、セロトニンもノルアドレナリンも、そしてドーパミンも脳内物質という点は共通しています。抗うつ剤によって脳内物質のバランスが崩れて、ドーパミンの伝達機能が影響を受ける可能性はゼロではありません。
(※ むずむず脚症候群の原因は、ドーパミンの機能障害と考えられています)

むずむず脚症候群が、抗うつ剤のせいで発生している疑いが強いなら、薬を変えることも視野に入れたほうがいいです。なぜなら、そのままだと「むずむず脚症候群のせいでうつの症状がますます強くなる」という悪循環におちいる可能性があるからです。

ただし、心療内科の医師がむずむず脚症候群の症状をどれだけ理解してくれるか、それは未知数です。そのため睡眠専門のクリニックも受診して判断をあおぐ、ということも必要になってきます。

なお、次の2つの抗うつ剤は、特にむずむず脚症候群を誘発する危険性があるとされています[※3]

一般名 商品名 区分
ミルタザピン レメロン錠15mg、
リフレックス錠15mg
抗うつ剤(NaSSA)
塩酸ミアンセリン テトラミド錠10mg~30mg 四環系抗うつ剤

※3:レストレスレッグス症候群 / 井上雄一 P.135~137 による]

4.ドーパミン拮抗薬

胃炎や十二指腸潰瘍などの病気に対して処方される「ドーパミン拮抗薬」のせいで、むずむず脚症候群が発生することもありあす。

ドーパミン拮抗薬は、ドーパミンの受容体をふさぐ薬です。これは胃腸の働きを活発にするためには良いのですが、その反面ドーパミンの伝達を抑えてしまうのでむずむず脚の原因になります。

この薬の影響は一時的なものなので、薬の服用をやめればむずむず脚の症状もなくなります。ただし、ドーパミン拮抗薬を常用している場合は注意が必要です。

使用中の薬が原因でむずむず脚症候群になっているなら、医師と相談して薬を変えてみてください。一言でドーパミン拮抗薬といっても、その種類はいろいろあります。

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