妊娠中の女性がなりやすいのが『むずむず脚症候群』

むずむず脚症候群は、妊娠中に発症しやすいことが知られています。2003年に、妊婦16,000名以上を対象にした大規模研究が行われましたが、それによると「妊婦の約20%にむずむず脚症候群の症状が見られた」という結果が出ています[※1]

通常、この病気が発症する確率は5%くらいですので、それに比べると妊娠中の方がむずむず脚症候群にかかる確率はかなり高いと言えます。

では、なぜ妊娠するとむずむず脚症候群になりやすいのでしょうか。その原因は2つあると考えられています。ひとつは体内の鉄分が不足すること、もう一つはせきずいが圧迫されることです。

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※1:レストレスレッグス症候群 / 井上雄一 P.129による]

1.鉄分不足

むずむず脚症候群の原因の中で、鉄分不足によってむずむず脚症候群が引き起こされると述べましたが、妊婦の方はこれが顕著に現れます。

とくに妊娠中期になると、胎児の体内に赤血球が増えていくため、胎児のほうへ移動する鉄分量も増加します。この影響で母体の鉄分が少なくなり、むずむず脚症候群が発生しやすくなります。

基本的には鉄分をしっかり摂ることが有効な対策になりますが、その際には次の3点も考慮するとさらにベターです。

  • 鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収されやすいので、野菜&果物を食事に取りいれる。
  • カフェインと一緒に摂ると吸収率が下がるので、食後はお茶やコーヒーを飲みすぎないように(麦茶はOK)。
  • 野菜に含まれる非ヘム鉄よりも、肉・魚に含まれるヘム鉄のほうが吸収されやすい。適度に肉と魚も食べることが大切。

もともと貧血ぎみの方は、妊娠のタイミングでむずむず脚症候群にかかる可能性が高くなります。なかなか難しいかもしれませんが、日ごろから鉄分をしっかり摂るような食生活を心がけることが予防策になります。

ちなみに体内の鉄分量が足りているかどうかは、血清フェリチン検査をすると分かります。これについては「むずむず脚症候群で病院にいく前に知っておきたいポイント」の中で述べていますので参考にしてみてください。

補足

妊娠中に鉄分やビタミンCをサプリメントでおぎなう場合は、事前に医師に相談しましょう。

2.せきずいの圧迫

明確なメカニズムはわかっていませんが、せきずい圧迫によってむずむず脚症候群のリスクは上昇します。実際、椎間板ヘルニアなど、せきずいを圧迫する病気はむずむず脚症候群の要因と考えられています。

妊娠中は、胎児が成長するにしたがってせきずいが圧迫されるようになり、その影響でむずむず脚症候群になる可能性が出てきます。

仕事や家事をしながらだと難しいかもしれませんが、できるだけ腰に負担がかからないようにすることが予防策になります。

なお、せきずい圧迫の影響でむずむず脚症候群になった場合、出産を終えるとすぐに症状はなくなります。

まとめ

多くの場合、むずむず脚症候群はプラミペキソールやロチゴニンなどの薬を服用することで改善されます。

しかし、妊娠中はこういった薬を服用することはできません。そのため、足のムズムズ・イライラを解消するための対策&対処法3つで述べた「非薬物療法」が重要になってきます。

また、出産後に症状が続く場合も、薬を使う・使わないは慎重に考える必要があります(薬の影響が母乳に出るため)。「むずむず脚症候群の症状が強くて耐えられない」というときは、母乳ではなく人工乳に変えることも検討してみてください。そうすれば、出産後に薬を服用することができます。

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