大人の夢遊病はどうやって治療する?

夢遊病は10歳未満の子どもに多く見られる睡眠障害ですが、大人もこの病気にかかることがあります。

子供の夢遊病は、思春期を迎えるころには自然消失するため、積極的に治療しないことも多いです。それに対して、大人の夢遊病はしっかり治療したほうがいいとされています。子どもと比べて、大人は複雑な動作(料理や運転など)ができるため夢遊病の危険度が高いからです。

このページでは大人の夢遊病についてまとめています。なお、『夢遊病』の具体的な症状&原因も合わせて読むと理解が深まると思います。

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治療は薬物療法がメイン

大人が夢遊病にかかった場合、特定の薬を使った「薬物療法」をするのが一般的です。ベンゾジアゼピン系の睡眠薬や三環系抗うつ剤を使用することが多いようです。

ただし、一言で睡眠薬・抗うつ剤といっても、その種類はさまざまです。身体に対する作用も異なります。そのため、自己判断で服用するのは危険です。かならず医師に相談した上で使うようにしましょう。
マイスリーに代表される睡眠導入剤を服用したせいで、逆に夢遊病が頻発するようになった、という人もいるので注意が必要です)

残念ながら、薬物療法では夢遊病を根本的には治せません。薬の服用をやめれば症状が再発してしまうことを覚えておきましょう。

それでも、夢中遊行(睡眠中に歩きまわる症状)で自室を出てしまうほどなら、薬を使った治療をするのが賢明です。自室から出られる⇒家の外にも出られるくらいの行動能力がある、ということだからです。家の外に出るレベルだと、事故にあったり(逆に事故を起こしたり)する可能性が飛躍的に高まってしまいます。

どの科に行けばいい?

夢遊病は、専門的には睡眠時遊行症(すいみんじ ゆうこうしょう)と呼ばれていて、睡眠障害のひとつに数えられています。

睡眠障害を専門に診ているのは、睡眠障害クリニックや睡眠外来などです。夢中遊行の最中に自室から出てしまうレベルなら、これらの医療機関を受診するようにしましょう。場合によっては、終夜睡眠ポリグラフという検査をして、夢遊病の程度を調べる必要があります。

睡眠ポリグラフを実際に測ってみたら、夢遊病ではなくて別の睡眠障害が見つかるかもしれません(レム睡眠行動障害など)。終夜睡眠ポリグラフ検査をするかどうかは状況にもよると思いますが、まずは睡眠を専門に診ている医療機関に足を運んでみてください。

なお、心療内科に行くことを考える方もいると思いますが、それは後にまわすほうが無難です。心療内科では、夢遊病とほかの睡眠障害を区別することができないからです(睡眠ポリグラフを測定する施設もありません)。

ただし、夢遊病の診断が下されてから、その原因を取りのぞくために心療内科に通うのはアリです。あとで述べますが、大人の夢遊病の背後にはストレスが隠れていることがあります。

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大人の夢遊病が起きる原因とは

夢遊病は、深いノンレム睡眠の最中に「脳が部分的に覚醒する」ことで発生します。これは子供の夢遊病でも大人の場合でも同じです。

次の図は、睡眠時間と睡眠深度の関係を表した図です。深いノンレム睡眠が現れるのは眠りについてから3時間以内なので、夢遊病もその時間帯に発生しやすいです。

子どもの場合は脳が発達途中にあるため、睡眠覚醒を制御する機能がうまく働かないことがあります。その影響で夢遊病になりますが、思春期を迎えるころには症状が出なくなります。

では、脳が発達しきった大人が夢遊病になるのは何故なのでしょうか。何らかの要因で脳の一部分が覚醒しているのは確実ですが、具体的な原因は判明していません。

しかし、根本的な原因ではないにしろ、夢遊病のリスクを上げる要因はある程度分かっています。睡眠障害国際分類 第2版 診断とコードの手引」という専門書では、次の項目が夢遊病を引きおこす要因として挙げられています。

  • 精神的ストレス
  • アルコールの飲みすぎ
  • 騒音や光などの外部刺激
  • 時差の大きい地域に行く
  • 不慣れな環境の睡眠
  • 月経の影響

これらに共通するのは、どれも眠りを浅くしたり、睡眠のリズムを崩したりするということです。

先ほど、夢遊病は深いノンレム睡眠のときに発生すると述べましたが、ストレスやアルコールは、このノンレム睡眠のリズムを乱します。そうすると、本来ぐっすり休むはずだった脳が深い眠りに入っていけないので、何かの拍子に脳の一部が覚醒しやすくなります。その結果、夢遊病が発生してしまうわけです。

上記の要因に心当たりがある場合、改善したほうがいいことは間違いありません。しかし、口で言うのは簡単でも実行するのは難しいことも事実です。まずはできる範囲から取り組むほうが、負担にならずに済むはずです。

たとえば、精神的なストレスが原因になっているとしたら、寝る前にリラックスできる時間帯を作るだけでもその日の眠りに違いが出てきます。

手軽なのは、バスタイムをちょっと工夫することです。38~40℃くらいのぬるめのお湯に長めに浸かるようにしたり、交感神経をしずめる働きがあるラベンダーの入浴剤を使ってみたり……簡単にできることなのでぜひ試してみてください。

また、就寝時刻の1時間前に部屋の明かりを暖色照明に切り替えるのもオススメです。寝る前の光の刺激が少なくなりますし、暖色照明にはリラックス効果も期待できます。

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