夜中に突然泣き叫ぶ「夜驚症」の症状と原因、対策など

夜驚症(やきょうしょう)は幼児や子供によく見られる睡眠障害です。その症状は、夜中にとつぜん目を覚まして、激しい恐怖感とともに泣いたり叫んだりするというものです。専門的には「睡眠時驚愕症」と呼ばれています。

アメリカで実施された調査では、夜驚がくり返し発生するのは子供の5%くらいという結果が出ています。多くの場合、成長する過程で夜驚症は自然消失します。

このページでは、夜驚症の具体的な症状や原因、対策などについてご紹介します。

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具体的な症状、夜泣きとの区別など

夜驚症は「寝ている間に恐怖やパニックに襲われる」というもので、ある種の発作と考えられています。とつぜん怯えたような表情をしてベッドから起き上がり、大きな叫び声を上げたり泣き出したりします。

それとともに、「心拍数が増える」「呼吸が速くなる」「大汗をかく」といった症状が現れることも多いです。場合によっては、嘔吐することもあります。

夜驚症と混同しやすいものに「夜泣き」があります。夜泣きは、部屋の電気を付けたり声をかけたりすれば、目を覚まして泣きやむことがあります。これは、夜泣きが浅い睡眠のときに起こるからです。

しかし、夜驚症は深い睡眠状態から急激に目を覚まします。そのため、脳の一部は覚醒したけれども他の部分は眠ったまま、という中途半端な状態になります。夜驚症におちいっている子どもに、どんな言葉をかけても届かないのはそのせいです。基本的に、近くにいる人は成り行きを見守るしかありません。

ほとんどの場合、夜驚症は眠り始めの3時間に集中して発生します。これは、その時間帯に深い睡眠が出現するからです。

●「睡眠の深さ」と「睡眠時間」の関係

ちなみに、夜驚症の出現パターンは夢遊病のものとよく似ていて、夜驚症と夢遊病がセットになって現れる場合も少なくありません。
(夢遊病についてはこちらのページで詳しく述べています)

通常、夜驚の症状(泣き叫ぶ)は30秒から5分くらいでおさまり、そのあとは何事もなかったように通常の睡眠に戻ります。

朝起きたときには、夜中の出来事は記憶に残っていないことがほとんどですが、何らかのイメージを覚えていることもあります。恐ろしげな怪物など、恐怖感を呼びおこすイメージが多いようです。

過去の恐怖体験が関係している?

夜驚症が起きる原因は明確には判明していません。今のところ、脳の機能が発達途中であることが、夜驚症に関係していると言われています。また、成長にともなって夜驚症が自然消失するのも、脳が充分に発達した結果と考えられています。

夜驚症で泣き叫んでいる最中には、脳内の大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)という箇所が活発に活動していることが知られています。

大脳辺縁系は人間の感情に関わっている部分です。その部分は活発になるけれども、ほかの部分は眠ったままなので、感情の制御ができずに泣き叫ぶ……というのが一般的に考えられている理屈です。

しかし、それだけではなぜ泣き叫ぶのか説明がつきません。感情の制御ができないだけなら、「笑い転げる」でもおかしくないはずです。

そこで考えられるのは、
「何らかの恐怖感をともなう体験が、夜驚症に関係しているのではないか?」
ということです。

人間の感情の中で、もっとも記憶に刻まれやすいのが恐怖です。そのため、脳が中途半端に覚醒して大脳辺縁系のスイッチが入ったときにも、恐怖感が真っ先に現れるのかもしれません。

たとえば、以下は「夜驚症? – 育児 – 教えて!goo」からの引用ですが、これは恐怖感が夜驚症の原因になっている例と言えます。

先日6歳になった息子のことです。
1年位前に夜驚症?がありました。

夜中にむっくり起きて、何かぼそぼそとつぶやき、こちらの問いかけには
何も反応しませんでした。ひたすらぶるぶる震えていました
(歩き回ることはありませんでしたが)。

そんなことが1週間ぐらい続いたので、
ネットなどで調べてみました。

ストレスや何か怖い思いをすることが原因だと書いてあったので
日常の行動を考えていたのですが、
1つだけ思い当たる点がありました。

その頃トイレに1人で行くのが怖いといっていたのですが、
「もうお兄さんだから一人で行きなさい」と付き添わない日が多々ありました。

考えてみたらその頃から夜驚症になったのかもしれません。

そこでトイレに付き添うようになったら、夜驚症はでなくなりました。
うちの息子の場合は「恐怖」が原因だったのかもしれません。

対策と治療について

残念ながら、家の中でできる対策はほとんどありません。しかし、先ほど述べたように、何らかの恐怖体験が夜驚症に関係している可能性はあります。それを紐解くことは、夜驚症を治す手がかりになるかもしれません。

たとえば、雷を極度に怖がっている子供が、雷は心配ないものだとしっかり納得したことによって、夜驚症の頻度が減ったという話もあるようです。

夜驚症は、本人の健康に悪い影響を与えないとされています。そのため、積極的に治療せず、自然消失を待つことも多いです。

しかし、夜驚症がひんぱんに発生して、周囲の人の睡眠を大きくさまたげるようであれば、治療を検討してみてください。小児科や小児神経科などに足を運んで、医師に相談しましょう。また、睡眠障害クリニックに代表される「睡眠を専門とした医療機関」に行くのもひとつの手段です。夜驚症は睡眠障害の一種なので、睡眠関係の医師は治療に詳しいはずです。

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