寝ているときに足がピクピク動く『周期性四肢運動障害』の症状・治療薬など

寝ているときに足がピクピクと動いたり、ひじがすばやく動いたりする……こういった動作が睡眠中に繰り返されるのが「周期性四肢運動障害」です。
(読み方:しゅうきせい しし うんどうしょうがい)

これは睡眠障害のひとつで、年齢とともに発症する確率が高くなります。30~50歳では5%、50~65歳では30%、65歳以上では45%に周期性四肢運動障害が見られる[※1]というデータもあります。

※1:睡眠学 / 日本睡眠学会(編)P.560 による]

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どんな症状なのか?

周期性四肢運動障害にかかっていると、寝ている間に次のような動作を繰り返すようになります。

  • つま先や足首がピクピクと動く
  • ひざ蹴りをするような動作をする
  • ひじをすばやく曲げ伸ばす

これらの動作が睡眠中にどのくらい繰り返されるかというと、それは症状の度合によります。

ただ、周期性四肢運動障害の診断基準のひとつに「0.5~5秒持続する手足のピクつきが1時間に15回以上確認される」という項目があります。ですので、1時間に十数回以上のピクつきがあるようなら、この睡眠障害の可能性が高いです。

なお、周期性四肢運動障害の動作は、一晩中ずっと続くわけではありません。睡眠前半から中盤には発生しやすいものの、明け方になると症状は軽減します。

注意

睡眠中の動作は、あくまでも手足のみ発生します。寝ているときに叫び声をあげたり、立ち上がったりといった症状もみられる場合は『レム睡眠行動障害』という睡眠障害の可能性があります。

詳細:眠りながら叫んだり暴れたりする『レム睡眠行動障害』

たくさん寝たはずなのに眠気がとれない

周期性四肢運動障害にともなう手足の動作は、本人の意志とは関係なく起こります。そして寝ている最中なので、自覚症状もありません。ほとんどの場合、となりで寝ている家族に指摘されたことがきっかけで、自分の症状を認識することになります。

しかし、ここで問題になるのは自覚症状がなくても睡眠の質は損なわれているという事実です。具体的には、「しっかり寝たはずなのに昼間に眠くなる」「夜中に目が覚めてしまう」といった不眠の症状が現れやすくなります。

では、なぜ周期性四肢運動障害にかかると不眠症状が現れるのでしょうか。このことを考えるときに、まず知っておきたいのは「睡眠には数段階の深さがあり、深ければ深いほど疲労回復の効果がある」ということです。とくに眠り始めの3時間は深い眠りが得られるので重要度が高いです。

しかし、このときに周期性四肢運動障害の動作が現れるとどうなるでしょうか。手足の動きにともなって脳が覚醒してしまうため、深い睡眠へスムーズに移行できなくなってしまうのです。

深い睡眠がとれなくなるぶん、疲労回復もうまくできなくなります。そのため「たくさん寝たはずなのに昼間に眠くなる」という症状が出るようになります。

また、寝ている間に手足のピクつきが起きると、それが引き金になって夜中に目が覚めることもありえます。もちろん、本人は手足が動いたことが原因で目が覚めたとは認識していません。そのため「なぜだか分からないけど夜中に起きてしまう………もしかして不眠症?」と誤解する可能性も出てきます。

こうした状態で病院を受診すると、加齢のせいで眠りが浅くなったと診断される可能性があります(おそらく作用時間が長めの睡眠薬を処方されると思います)。

しかし、睡眠薬では周期性四肢運動障害は治りません。睡眠薬はあくまでも薬の力で脳を鎮静化して、眠りをもたらすだけだからです。

原因・治療法・検査について

周期性四肢運動障害がなぜ起きるのか、その根本的な原因は今のところ解明されていません。

しかし、ドーパミンの機能障害によるものではないか?という予想は立てられています。実際、ドーパミン受容体作動薬のひとつ「プラミペキソール」は、周期性四肢運動障害を治療するときに有効です。

プラミペキソールの服用で効果がみられないときは、クロナゼパム〈商品名:ランドセン、リボトリールなど〉を使うこともあります。これは抗てんかん薬のひとつで、「むずむず脚症候群」や「レム睡眠行動障害」の治療でも用いられる薬です。

なお、根本的な原因が分からない以上、薬以外にはこれといって有効な対策はありません。

しかし、周期性四肢運動障害の出現には変動があり、疲れているとき、カフェインを多く摂ったときに起こりやすいという専門家の見解があります[※2]。そもそもカフェインは中途覚醒の原因にもなります。カフェインの分解時間は4時間くらいなので、夕方以降はコーヒーや紅茶などを控えるのが無難です。

最後に、病院での診察・検査についてですが、周期性四肢運動障害が疑われる場合は専門の医療機関に行くのがベターです。
(大手病院の睡眠科・睡眠医療科、睡眠専門のクリニックなど)

多くの場合、診断を確定するために「終夜睡眠ポリグラフ検査」という検査をすることになります。この検査で足の動きを客観的に測定することによって、本当に周期性四肢運動障害なのか、あるいは他の睡眠障害なのかが区別できます。

※2:睡眠障害の対応と治療ガイドライン / 内山真 P.228 による]

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