反復性過眠症はナゾの多い睡眠障害……原因や治療法は分かっていない

とにかく睡眠時間が長くなるのが「反復性過眠症」といわれる睡眠障害です。

どのくらい眠るのかというと、1日に16~18時間です。20時間眠りこむ場合もあります。食事やトイレのときは起きますが、それ以外の時間はほとんど眠りつづけます。一般の人が過眠症と聞いたときに思い浮かべるイメージに一番近いのが、この反復性過眠症かもしれません。

この過眠状態はずっと続くわけではなく、3~10日間にわたって長時間睡眠が続いたあと、一般的な睡眠時間に戻ります。そして、数か月たつと眠気が強くなる時期がきて、また長時間睡眠におちいります。

長時間睡眠が続く「傾眠期」と、一般的な睡眠に戻る「間欠期」が繰り返されることから、周期性過眠症と呼ばれることもあります。同じ過眠症でも、ナルコレプシー特発性過眠症には、こういったサイクルはありません。

なお、間欠期には過眠症状がまったく現れなくなるのも大きな特徴です。

反復性過眠症は非常にまれな病気ですが、10代男性の発症率が多いとされています。

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今のところ原因は分かっていない

反復性過眠症が発症する原因やメカニズムについては、現在のところ不明です。ほかの過眠症よりも症例数が少なく、なかなか研究が進んでいないようです。

ただし、次のものが発症誘因になると考えられています。

  • 精神的なストレス
  • 極端な睡眠不足
  • 感染症による発熱

また、反復性過眠症にかかっている方の脳波を検査したところ、アルファ波が少なくてシータ波が多かったという研究報告があります。

アルファ派は覚醒の指標になる脳波です。それに対してシータ波は、眠りに入る直前や、うつらうつらしている時によく出現します。このことから、反復性過眠症には「軽い意識障害」という側面もあります。

実際、反復性過眠症の患者さんの体験談によると、下記のような意識障害に近い状態になるそうです。

  • 過眠から目覚めたあとの数時間は意識がぼんやりとしている
  • トイレや食事はしているはずだが、ほぼ自動的に行っているため記憶に残っていない
  • 宅配便を受けとったはずだが、どういうやり取りをしたのか覚えていない

なお、過眠のほかに、

「炭水化物を中心とした過食が起こる」
「怒りっぽくなって攻撃性が高まる」

という症状がみられることもあります。このような症例はクライネ・レビン症候群と呼ばれています。

治療で使われるのは炭酸リチウム

睡眠が長くなる時期を、傾眠期もしくは過眠期といいます。この時期が来るのを予防する目的では、炭酸リチウム(リーマス錠など)が最も有効とされています。この薬は、気分の浮き沈みをおさえる作用があり、躁病(そうびょう)の治療にも使われています。

しかし、いったん傾眠期がスタートしてしまうと、薬によって過眠を中断するのは不可能です。

炭酸リチウムのほかには、中枢刺激薬のリタリン〈一般名:メチルフェニデート〉を使用することもあるようですが、反復性過眠症に対して中枢刺激薬は有効でないという見解もあります。なかなか「これが効果的」と言い切れる薬がないのが、反復性過眠症の難しいところです。

ただし、反復性過眠症の症状は年齢とともに軽くなっていき、20~30代になると生活に支障の出ないレベルまで自然治癒することも多いです。それまでは、炭酸リチウムなどの薬を使いながらしのぐ、というのが基本的な考え方になります。

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