中途覚醒に効果がある睡眠薬とその注意点

夜中に何度も目が覚めてしまう『中途覚醒』。40代になると出始める不眠症のひとつです。「昔はあんなにぐっすり眠れたのに……」と、現在の睡眠に不満を感じている方も多いと思います。

症状が軽めなら、中途覚醒を改善する対策をとれば解決に向かいます。しかし、症状が重いときはそう簡単には治りません。夜中にひんぱんに目が覚めて睡眠時間が削られる、眠りが浅くて疲れがとれない、そのせいで日中の活動にも支障が出る……そういう場合は、睡眠薬の力を借りることも視野に入れてみてください。

もちろん睡眠薬は対症療法です。中途覚醒の根本原因が解決できるわけではありません。薬を使って眠れるようになっても、薬をやめると中途覚醒が再発します。しかし、睡眠薬を利用すればひとまず熟睡できて、活力を取り戻せるのも事実です。

睡眠障害クリニックや睡眠外来に行って、中途覚醒に悩んでいることを伝えれば、睡眠薬を処方してもらえます。ただ、一言で睡眠薬といってもその種類はたくさんあります。「何も知らないまま医者にもらった薬を服用するのは不安」という方もいると思います。また、実は睡眠薬を使うとまずい場合もあります。

そこで、このページでは、中途覚醒で使われる睡眠薬の「種類」「具体的な薬剤」「注意点」をまとめました。

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中途覚醒に有効な睡眠薬のタイプ

中途覚醒に使われる睡眠薬は、大きく分けて2種類あります。それは、「短時間作用型」と「中間作用型」の睡眠薬です。作用型というのは、薬の効果がどれくらい持続するか?を表しています。たとえば、短時間作用型はその名のとおり服用してから短時間だけ効果が現れます。

具体的には、睡眠薬は持続時間によって次の4種類に分けられます。

種類 持続時間 適用の目安
入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒
超短時間作用型 3~4時間
短時間作用型 5~6時間
中間作用型 7~8時間
長時間作用型 9~10時間

この4種類の中で、なぜ短時間作用型と中間作用型が適しているのでしょうか。その理由を詳しく述べていきます。

短時間作用型はピンポイントで効く

まず短時間作用型ですが、薬の効き目が最大になるのは「服用してから2~3時間後」です。そのため、睡眠前半に中途覚醒が発生しやすいときに効果を発揮します。たとえば、夜の23時に寝ると夜中の2時ころに一度目が覚めてしまう、という場合です。

ちなみに、人間の睡眠には一定の周期があり、90分ごとに睡眠が浅くなることが分かっています。眠りについてから3時間後(=90分×2)は中途覚醒になりやすいのですが、その理由は眠りが浅くなるタイミングと一致しているからです。

短時間作用型の睡眠薬は、服用して6時間後には睡眠作用がほとんどなくなります。そのため、睡眠薬のせいで朝の目覚めが悪くなる可能性も少ないです。「効いてほしい時間帯に効いて、そのあとは悪影響を残さない」のが短時間作用型の利点と言えます。

なお、薬を朝に持ちこさないという点では、さらに持続時間が短い「超短時間作用型」の睡眠薬のほうが優れています。たとえば、マイスリーやハルシオン、アモバンなどは超短時間作用型の代表格です。その中でもマイスリーは比較的新しい薬で、副作用も従来の薬に比べて少なめです。

しかし、超短時間作用型の睡眠薬は、中途覚醒をおさえる作用がそれほど強くありません。服用してから約1時間後に薬の血中濃度が最高になるからです。中途覚醒のタイミングよりも前に最高濃度になるため、そのあとは睡眠作用が弱くなってしまいます。

そう考えると、超短時間型は入眠障害を改善するときに役立つ薬です。それに対して、短時間型は中途覚醒対策に向いていると言えます。
(詳細:入眠障害向けの睡眠薬の選び方

中間作用型は汎用性が高い

次に、中間作用型の睡眠薬についてです。このタイプの薬は、中途覚醒のタイミングが遅い場合に適しています。

さきほど、人の睡眠は90分周期で浅くなると述べましたが、「90分×3=4時間半」も目が覚めやすいタイミングのひとつです。短時間作用型の睡眠薬だと、このタイミングの中途覚醒を抑えられない場合があります。一応、短時間作用型は効き目が5~6時間ほど持続するのですが、後半は作用がかなり弱くなります。

そのため、寝てから4時間以降に中途覚醒に発生しやすいなら、短時間作用型よりも中間作用型が向いています。

また、中途覚醒のタイミングが日によって大きく異なる人も、中間作用型を使って広い時間帯をカバーするのが良いと思います。汎用性が高いことが中間作用型の長所と言えます。

ただし、中間作用型にも欠点があります。それは、薬の効果が朝~日中に持ち越されやすいことです。意識がぼんやりして、仕事や家事に影響がでる可能性もあります。

また、中間作用型の睡眠薬は、連日服用すると体内に蓄積していきます。中間作用型の睡眠薬の持続時間は、8時間ほどです。仮に薬を持ち越しやすい体質の人でも10~12時間たてば睡眠作用が切れます。しかし、睡眠作用が切れることと、薬が体内から抜けることは意味が違います。

実は、中間作用型の睡眠薬は体の中から完全に排出されるまでに24時間以上かかります。そのため、毎日服用すると体内に蓄積していくのです。

睡眠薬が体に蓄積すると、運動能力と認知力に少なからず悪影響があります。そのため、中間作用型を連用するなら、車の運転は控える必要があります。また、危険をともなう仕事(高所作業など)をしている場合も、中間作用型は向いていません。

●参考:睡眠薬の持続時間のイメージ図

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具体的な薬とその特徴

中途覚醒の対策で使われる「短時間作用型」「中間作用型」の睡眠薬一覧です。

分類 商品名 薬剤名 最高血中濃度到達時間 消失半減期
短時間
作用型
デパス エチゾラム 3.3時間 6.3時間
リスミー リルマザホン 3時間 10.5時間
レンドルミン ブロチゾラム 1.5時間 7時間
エバミール
ロラメット
ロルメタゼパム 1~2時間 10時間
中間
作用型
サイレース
ロヒプノール
フルニトラゼパム 1~2時間 15時間
ベンザリン
ネルボン
ニトラゼパム 2時間 21~25時間

どの薬がいいのかは場合によりますが、各睡眠薬の特徴を下記にまとめたので参考にしてみてください。

デパス

抗不安作用が強いため、不安感をともなう不眠に向いています。睡眠薬というよりは、抗不安薬の役割が強いかもしれません。効果が現れるまでの時間が30分と短いので、入眠障害にも適しています。

欠点は、筋弛緩作用が強いことです。そのため、起床後のふらつきや転倒には気をつけないといけません。とくに、高齢者は転倒によって骨折しやすいため、デパスの服用は慎重に判断したいところです。

リスミー

最高血中濃度に達する時間は、服用から3時間後です。そのため、中途覚醒をおさえるのに適しています。ただし、睡眠作用そのものは弱いです。症状が軽めの人向けの睡眠薬と言えます。

レンドルミン

飲んでから30分以内に睡眠効果が現れるため、入眠障害を併発している場合に適しています。翌朝の薬の持ち越しも少なめです。ただし、リスミーと同じく睡眠作用は強くありません。

エバミール、ロラメット

年齢の影響を受けにくく、筋弛緩作用も弱めです。そのため高齢者に向いている薬です。また薬の構造が単純なので、肝臓や腎臓に障害があっても影響を受けにくいという長所もあります。

サイレース、ロヒプノール

非常に強力な睡眠作用があります。中途覚醒だけでなく、入眠障害や早朝覚醒の防止にも使われていて、汎用性の高い睡眠薬です。抗不安作用もあります。

ただし、効果が強いといっても、長期服用すると耐性ができてしまい、効き目が弱くなります(これは他の睡眠薬でも同じですが)。

また、「筋弛緩作用が強い」「依存が生じやすい」などの欠点があります。さらに、中間作用型なので連用すると体に蓄積します。中途覚醒の症状が重いときは心強い味方になりますが、欠点を理解した上で使いたい薬です。

ベンザリン、ネルボン

40年以上使われている中間作用型の睡眠薬です。(ベンザリンは1972年、ネルボンは1967年に発売されています)

前述のサイレースやロヒプノールに比べると、睡眠作用は強くありません。あえて弱めの薬を使いたい場合に適しています。たとえば、高齢のため薬が代謝されにくく、効果が強く出すぎるときなどです。

睡眠薬を使ってはいけないときもある

次の2つの睡眠障害は、中途覚醒の原因になります。しかし、睡眠薬を使うのは禁物です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が止まる睡眠障害。
代表的な流れは、
①寝ている間にいびきをかく
②突然いびきが止まり、それに合わせて無呼吸・低呼吸になる
③しばらくたってから、轟音のような強いいびきが出る
④1~3の繰り返し

詳細:睡眠時無呼吸症候群のポイントまとめ 【症状や原因、治療方法など】

周期性四肢運動障害

寝ているときに足がピクピクと動いたり、ひじがすばやく動いたりする……こういった動作が睡眠中に繰り返される睡眠障害。本人の意志とは関係なく動作が起こる。自覚症状のないまま睡眠の質が損なわれていく(眠りが浅くなる)。

詳細:寝ているときに足がピクピク動く『周期性四肢運動障害』の症状・治療薬など

これらの睡眠障害を治さないまま、睡眠薬で中途覚醒だけ抑えるとどうなるでしょうか。たしかに夜中に目が覚める回数は減るでしょう。しかし、そのかわり睡眠障害が進行しても気付けなくなります。

とくに、睡眠時無呼吸症候群は放っておくと命に関わります。実際、数年後の生存率に差が出てくるという統計結果も出ています。

安易に睡眠薬を使うのではなく、まずは中途覚醒の原因をしっかり認識するのが先決です。

また、豊富な知識と経験を持っている医師に診てもらうために、睡眠障害を専門としている病院に行くようにしましょう。病院探しについては「 睡眠障害の病院と専門医を探すときに知っておきたいこと」も参考にしてみて下さい。

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● 追記

そもそも、中途覚醒に対して睡眠薬を使う必要があるのか? というのは専門家でも意見の分かれるところです。年齢が増加すれば、ある程度は夜中に目が覚めるのが普通です。薬を使わずに済むのなら使わないほうがいいに決まっています。

もちろん、症状が重いなら睡眠薬を使うのは有効な手段です。しかし、その場合でも「中途覚醒の改善策」で述べているような、

  • メラトニンを増やす
  • お酒や食事などの生活習慣を改善する

などの対策にも取り組むようにしましょう。

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