いびきが少ない睡眠時無呼吸症候群は『中枢型』タイプ ~その症状と原因など~

睡眠時無呼吸症候群には2つの種類があります。

ひとつは「閉塞型」と呼ばれるタイプです。これは何らかの理由によって、のどの空気が通る道(気道)がふさがってしまい、そのせいで呼吸ができなくなるというものです。睡眠時無呼吸症候群の9割は、この閉塞型です。

これに対して、2つ目は「中枢型」と呼ばれています。このタイプの無呼吸症候群では、気道は閉塞していません。しかし、空気の通り道が確保されているにも関わらず、呼吸が止まってしまうのです。

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なぜ中枢型の無呼吸症候群が起こるのか

閉塞型タイプと違って、中枢型タイプでは気道がふさがることはありません。にもかかわらず、なぜ呼吸が止まってしまうのでしょうか。その原因は、脳にある呼吸中枢の働きが何らかの要因で弱くなってしまうことです。

通常、起きているあいだは大脳と延髄(えんずい)にある呼吸中枢が働いて、自然に息ができるようになっています。

しかしひとたび眠りに入ると、延髄の呼吸中枢だけが活動するようになります。これは睡眠中に大脳を休ませるためです。

もともと大脳&延髄という2つの器官で呼吸をコントロールしていたのに、眠っているあいだは1つの器官で制御しなくてはなりません。そのため、呼吸のコントロールに異常が起きると、その影響がダイレクトに現れることになります。

なぜ延髄にある呼吸中枢の働きが弱くなってしまうか、その原因は今のところ分かっていません。しかし、心疾患や肺疾患などがある場合、問題になるレベルまで中枢型の無呼吸が悪化することが確認されています。

また、加齢とともに中枢型の無呼吸は発生しやすくなりますが、これは年齢を重ねるにつれて心肺機能が弱くなることと関係していると言われています。

CPAPが対策として有効

中枢型の睡眠時無呼吸症候群を改善するには、呼吸をさまたげている疾患を治療することが一番です。しかし、これはその疾患が判明していて、そして治療できる場合に限られます。

治療するのが難しいときは、CPAPの使用を検討してみてください。CPAPは閉塞型の無呼吸を軽減するときによく使われる装置ですが、中枢型タイプに対しても効果が得られる場合があります。
(※ CPAP治療に詳しい医師から助言を受けるようにしましょう)

● CPAPのイメージ図

なお、下あごを前方向に出して気道を確保する「スリープスプリント」は中枢型の無呼吸には効果を発揮しません。中枢型タイプでは、もともと気道の広さは確保されているからです。

閉塞型なのか中枢型なのか、それを確認するには?

睡眠時無呼吸症候群の9割は、気道がふさがれてしまう閉塞型です。このタイプでよく確認される現象は「いびきをかいていると思ったら突然それが止まり、数秒後に轟音のようないびきが起こる」というものです。

それに対して、中枢型ではこの現象は起こりません。そのため、これが起こるかどうかで閉塞型・中枢型の切り分けができます。

しかし、正確に判断するためには「終夜睡眠ポリグラフ検査」を実施する必要があります。

終夜睡眠ポリグラフ検査とは……

センサーや電極を全身に取りつけたまま8時間ほど眠り、脳波・眼球運動・筋肉の動きなどを測定する検査。「睡眠時無呼吸症候群」や「ナルコレプシー」などの睡眠障害を診断するために実施される。

詳細:睡眠障害の診断に欠かせない『終夜睡眠ポリグラフ検査』

この検査で、眠っているときの「鼻の気流」や「胸の動き」を記録することによって、閉塞型・中枢型の判断をすることが可能です。

無呼吸状態のときは鼻周辺の気流がなくなります。これは閉塞型でも中枢型でも変わりません。

しかし、胸部の動きには大きな違いが現れます。

閉塞型の場合、気道がふさがっていて空気の出入りはできませんが、呼吸中枢からの指令は停止していません。そのため、息をしようとして胸部が動きます。

その一方、中枢型の場合は息をするための活動そのものが止まります。胸部の動きも当然なくなり、呼吸運動の測定データも平たんなものになります。

上記のような違いがあるため、閉塞型と中枢型が判別できるわけです。

なお、終夜睡眠ポリグラフ検査で次のような結果が出たら、中枢型の睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

・睡眠1時間につき、中枢型の無呼吸が5回以上ある

 あるいは

・一晩(7時間)の睡眠中に、中枢型の無呼吸が30回以上ある

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