体内時計が完全に故障する『不規則型睡眠・覚醒パターン』の原因と治療法

人間の睡眠リズムは、基本的には体内時計によってコントロールされています。毎日ほぼ同じ時刻に目が覚め、夜になるにつれて自然と眠くなるのはこの体内時計の働きによるものです。

しかし、何らかの理由によって体内時計が正常に働かなくなると、「朝に起きて夜に寝る」という睡眠のパターンがなくなることがあります。これは概日リズム睡眠障害のひとつで、『不規則型睡眠・覚醒パターン』と呼ばれています。

1日に3回以上の睡眠をとることが、1週間以上続いた場合、『不規則型睡眠・覚醒パターン』にかかっている可能性があります。

不規則型睡眠・覚醒パターンになっても、一日のトータルの睡眠量は年齢相応に正常です。しかし、たとえ睡眠量が足りていても疲労がうまく回復できないため、集中力や意欲がなくなります。また、一般的な社会のリズムに沿って行動できないことも、場合によっては問題になります。

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どうして『不規則型睡眠・覚醒パターン』になってしまうのか

この睡眠障害の主な発症原因は、生まれつき脳に障害を持っていたり、頭にケガを負ったりすることです。しかし、社会同調の乏しい環境(例えばひきこもり)で生活し続けることも、発症の引き金になるとして注目されています。

人間の身体には、睡眠リズム以外にもさまざまなリズムがあります。たとえば、体温も一日の間に1~2℃変動します。体温にしろ眠気にしろ、そのリズムを作る要因のひとつは「太陽の光」です。毎朝、太陽の光を浴びることによって、人間の生体リズムは形作られます。

しかし、家にずっとこもる生活を続けていると、太陽の光を浴びる時間が極端に減ります。そうなると、生体リズムを整える機会が失われるせいで、リズムの抑揚がなくなってきます。そして、やがて不規則型睡眠・覚醒パターンが引き起こされるわけです。

『不規則型睡眠・覚醒パターン』を改善するには

不規則型睡眠・覚醒パターンの治療法はまだ確立されていません。ただし、「ビタミンB12、睡眠薬、高照度光療法、時間療法を組み合わせた治療によって、45%が改善される」という専門家の見解があります[※1]

※1:睡眠医療 特集 生体リズムの基礎と臨床 P.240 による]

非常に治りにくく、個人の力でどうにかできる睡眠障害ではありません。もし1日に3回以上眠るような睡眠パターンが続いているなら、まずは睡眠の専門医に診てもらうのが賢明です。病院探しについては、【何科に行けばいい?】 睡眠障害の病院と専門医を探すときに知っておきたいことを参考にしてみてください。

なお、先ほど「社会同調の乏しい環境で生活し続けることも発症の引き金になる」と述べました。もしこれが明らかな原因といえる場合は、生体リズムの起伏を作ることも重要です。具体的には、次の4点が効果を発揮します。

  1. 就寝・起床の時刻にかかわらず、朝と日中は太陽の光をしっかり浴びる。日当たりの良い部屋で過ごす。
  2. 就寝・起床の時刻にかかわらず、夜間は光を浴びないようにサングラスをかける。あるいは暖色照明のもとで過ごす。
  3. 夕方~夜間に入浴をして、一時的に体温を上昇させる(体温のメリハリをつける)
  4. 夕方~夜間に軽い運動をして、一時的に体温を上昇させる(体温のメリハリをつける)
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