ロングスリーパー体質は治療できないけれど、別の病気がひそんでいる可能性もある

睡眠を多くとらないと健康を保てなくなるのが「ロングスリーパー」と呼ばれる人々です。一日あたり9時間以上の睡眠時間を必要としていて、全人口の5~10%を占めると言われています。

● 睡眠時間と人口分布

長時間の睡眠をとらないと頭が働かなかったり、強い倦怠感を感じたりするため「ロングスリーパー体質を治したい!」と思っている方は少なくないかもしれません。

では、睡眠障害クリニックなどに通院すればロングスリーパーは治るのでしょうか。

残念ながら、治せないと考えるのが自然です。ロングスリーパーかどうかは遺伝的な要因によって決まるからです(時計遺伝子と呼ばれるものが関係していることが、これまでの研究で示唆されています)。

それ以前に、そもそもロングスリーパーは治療の対象にならないと思います。なぜなら、ロングスリーパーの症状を睡眠障害として捉えるべきか、国際的に検討している最中だからです。「検討段階 ⇒ まだ病気とは確定していない⇒ 治療対象ではない」ということです。

ただし、ここで重要なことがひとつあります。「その長時間睡眠は本当にロングスリーパー体質によるものなのか?」ということです。

もしかしたら、れっきとした睡眠障害にかかっているせいで睡眠を多く必要としているのかもしれません。そうであれば、積極的に改善していく必要がありますし、治すための方針もあります。

長い睡眠を引きおこしている原因を取りのぞければ、それまでよりも短い睡眠時間で生活できる可能性も出てきます。

では、どういった病気がロングスリーパーと誤認されやすいのでしょうか。代表的なものは次の3つです。

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ロングスリーパーの症状と似ている病気

1.熟眠障害

熟眠障害は不眠症のひとつで「しっかり睡眠時間を確保したのに疲れがとれない」という特徴があります。これはロングスリーパーにも当てはまる特徴ですので、熟眠障害とロングスリーパーを取り違えていることは多いと思います。

ロングスリーパーが先天的なものであるのに対して、熟眠障害は後天的な要因によって引き起こされます。そのため、熟眠障害の原因を取りのぞいてしまえば、長かった睡眠時間も自然と短くなります。

2.特発性過眠症(とくはつせい かみんしょう)

過眠症のひとつである「特発性過眠症」はロングスリーパーと非常によく似ています。特発性過眠症では、夜間の睡眠時間が10時間以上になることも珍しくありません。これはロングスリーパーと重複する特徴です。

しかし、両者には違う点もあります。それは日中の眠気です。「日中に強い眠気を感じて、1~4時間という長い時間寝てしまう」というのが特発性過眠症に見られる最大の特徴です。しかも、たとえ1時間以上の昼寝をしたとしても頭がスッキリせず、眠気もなかなか消えません。

ロングスリーパーの場合は、夜間の睡眠時間を確保しさえすれば、そこまで強烈な眠気が日中にやってくることはありません。

なお、過眠症には「反復性過眠症」という種類もあります。1日あたり16~18時間の睡眠が必要になりますが、「3~10日間にわたって長時間睡眠が続いたあと、普通の睡眠時間に戻る」という周期を繰りかえします。

3.冬季うつ病

長時間の睡眠が冬に集中的に現れるのなら、冬季うつ病にかかっている可能性があります。冬季うつ病は、その名のとおり秋~冬にかけてうつ症状が現れる病気です。

もともと、冬は睡眠時間が長くなりやすい季節だということが統計調査で分かっています。ただし、夏と冬を比較してみても、睡眠時間の差はせいぜい30分くらいです。何時間も睡眠時間が変わるわけはありません。

しかし、冬季うつ病になっているときは他の季節と比べて2時間以上も睡眠が多くなることがあります。

睡眠時間が長くなること以外に、

  • わけもなく気分が落ち込む
  • 何に対してもやる気が出ない

といった症状もあるようなら、冬季うつ病の可能性も視野に入れてみてください。

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