パルスオキシメーターだけでは睡眠時無呼吸症候群を判定できない

睡眠時無呼吸症候群がどうかを判断する際に、パルスオキシメーターという機器が使われることがあります。

これは指先にセンサーをかぶせて、睡眠中にからだの酸素飽和度を計測するものです。

眠っているときに呼吸が止まれば、その影響で体内の酸素が不足します。見方を変えると、酸素不足かどうかを調べれば睡眠時無呼吸症候群を検出できるということです。

しかし、パルスオキシメーターの測定結果だけでは睡眠時無呼吸症候群を見逃してしまう可能性があります。

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呼吸停止そのものを測っているわけではない

パルスオキシメーターは、眠っている最中に呼吸が止まっているかどうかを直接調べるわけではありません。無呼吸・低呼吸の結果として起こる「低酸素状態」を見ているだけです。

そのため、低酸素状態がはっきりと出ない場合は、睡眠時無呼吸症候群を検出できません。

睡眠時無呼吸症候群には「軽度」「中度」「重度」の3段階がありますが、パルスオキシメーターを使用した検査の場合、軽度のものは取り逃がしてしまうことがあります。

● 重症度の定義

【軽度】
睡眠1時間につき、無呼吸・低呼吸が5回以上~15回未満

【中度】
睡眠1時間につき、無呼吸・低呼吸が15回以上~30回未満

【重度】
睡眠1時間につき、無呼吸・低呼吸が30回以上

酸素不足よりも、眠りの質が低下することが問題

症状が軽度だから治療しなくても大丈夫かというと、そうは言い切れません。無呼吸の頻度が少なくても、身体に対する影響は大きい場合があるからです。

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に酸素不足になることも問題ですが、それ以上に注目すべきなのは「深い睡眠がとれなくなること」です。

次の2つの図は、睡眠時間と睡眠深度の関係を示しています。最初の図は、ごく一般的な睡眠のリズムです。睡眠前半に、深い睡眠が数回表れているのが分かると思います。

[通常の睡眠リズム]

それに対して、2つめの図は睡眠時無呼吸症候群にかかっているときの睡眠リズムです。深い睡眠はほとんど現れません。

[睡眠時無呼吸症候群の睡眠リズム]

睡眠時無呼吸症候群の方のほとんどが、日中の強い眠気を訴えます。これは深い睡眠がとれなくなったために、脳や身体の疲労がうまく回復できないことが原因です。

程度の違いはあっても、睡眠時無呼吸症候群なら必ず睡眠の深さが損なわれます。そのため、たとえ軽度の睡眠時無呼吸だとしても日中の眠気の原因になります。

なお、眠りの深さは脳波を測る検査(睡眠ポリグラフ検査)をすれば分かりますが、パルスオキシメーターだけでは絶対に分かりません。

補足

パルスオキシメーターによる簡易検査が無駄なわけではありません。しかし、軽度の睡眠時無呼吸症候群を見のがす可能性があることは、覚えておいたほうが無難です。

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