いびきや無呼吸をマウスピースで改善する『スリープスプリント療法』とは?

「いびきを抑えたい」「軽度の睡眠時無呼吸を改善したい」というときに、有効な対策として挙げられるのがマウスピースを使った治療法です。

このマウスピースは、専門的にはスリープスプリントと呼ばれています。スプリントとは「あて木・支えるもの」という意味です。スリープスプリントで「睡眠を支える」という意味になります。

では、このスリープスプリントとは一体どんなマウスピースなのでしょうか。
このページでは、
「その特徴や費用」
「どういった場合に効果を発揮するのか」

などについて述べていきます。

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気道を広げることができるマウスピース

スリープスプリントは、一般的なマウスピース(ボクシングの選手などがしているもの)とは決定的な違いがあります。

その違いは、スリープスプリントには下あごを強制的に前方向に出す働きがあるということです。

この働きのおかげで舌の沈みこみが緩和されて、のどの内部(気道)に広いスペースを確保できるようになります。

注意

気道がせまくなることはいびきを発生させるだけでなく、眠っているときの無呼吸を引きおこす原因にもなります。

スリープスプリントが効果的な場合

眠っているあいだに気道がせまくなる原因は人それぞれです。スリープスプリントは、次の要因のために気道が狭まっている場合に効果を発揮します。

  • のどの奥に脂肪がついている
  • 加齢の影響で、舌が沈みこみやすくなっている
  • もともと下あごが小さい、もしくは下あごが後退している

そのほかには、口を開けて寝てしまう(いわゆる口呼吸)のせいで気道がせまくなっている場合も、ある程度の改善効果があります。マウスピースを使うことによって上下のあごが固定されて、自然と口が閉じるようになるからです。

スリープスプリントが有効でない場合

スリープスプリントが有効でないのは、次の要因のために気道がふさがれているときです。

  • 口蓋垂が人一倍長い
  • 口蓋扁桃が肥大している
  • 咽頭扁桃(アデノイド)が肥大している

スリープスプリントは舌の落ち込みは防ぎますが、口蓋垂の位置を改善することはできません。また、扁桃の大きさを変えるわけでもないので、扁桃起因で生じているいびきには効果がないことを覚えておきましょう。

口蓋垂や扁桃がいびきの要因なら、肥大した部位を手術によって切り取るのがもっとも効果的な治療方法です。

いびきのほかに「寝つきが悪くて困っている」という不眠の症状(入眠障害)がある場合も、スリープスプリントはあまりオススメできません。なぜなら、あごの違和感のせいでますます寝つけなくなる可能性があるからです。

スリープスプリントを装着したときの違和感は1~3カ月で慣れるようです。しかし、違和感が必ずなくなるとは言い切れません。

また、元々「あごの関節に痛みや障害がある」「歯がぐらついている」などの症状がある場合は要注意です。スリープスプリントによって症状が悪化する危険性があります。

気になる費用はどのくらい?

スリープスプリントは、保険が適用される場合とそうでない場合があります。

保険適用となるのは、専門の医療機関から睡眠時無呼吸症候群の確定診断が出されていて、その情報をもとにスリープスプリントが作られたときだけです。
(単なるいびき改善のために作るとしたら、保険適用にならないということ)

歯科医院の受診料を加味すると、おおよそ下記の費用がかかります。

  • 保険適用あり : 13,000~18,000円
  • 保険適用なし : 40,000~55,000円

ちなみにスリープスプリントは壊れないかぎり、すっと使うことができます。3~5年使えるくらいの耐久性はあるので、そう考えるとそれほど高くないのかもしれません。

ただし、スリープスプリントのみでいびきや無呼吸が完全に治るかといえば、それは言い切れません。先に述べたように、あまり効果が得られない場合もあります。

睡眠を専門に診ている医師ときちんと話し合いながら、スリープスプリントを使うのか、あるいは他の選択肢を選ぶのか決めていきましょう。なお、中度~重度の睡眠時無呼吸症候群にかかっている場合は、CPAP治療や手術も視野に入れる必要があります。

どこで作ってもらえる?

あごの骨格は人それぞれですので、スリープスプリントは一人ひとりに合わせて歯科医院で作ります。

しかし、どんな歯医者でも対応できるかと言ったらそうでもありません。眠っているときに装着する特殊なマウスピースなので、制作には経験が必要になります。

つまり、スリープスプリントに詳しい歯科医を探さなければならないということです。

ではどうやって探すのかというと、一番簡単なのは睡眠専門クリニックや大手病院の睡眠外来を受診して、そのときに紹介してもらうことです。

睡眠を専門に診ている医療機関であれば、スリープスプリントをうまく作れる歯科医と連携をとっていることが多いです。また、近くの病院に睡眠外来がなければ、呼吸器科や呼吸器内科などでも紹介してもらえる可能性があります。

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