むずむず脚症候群を改善するために使われる薬は3種類ある

前ページ「足のムズムズ・イライラを解消するための対策&対処法」で述べたように、軽度のむずむず脚症候群なら、薬を使わない非薬物療法だけで改善できる可能性があります。

しかし、それだけで対処できないようなら、薬を使うことも検討してみましょう。むずむず脚症候群に対する薬の効果は高く、ひとつの薬を使うだけで、8割の患者さんが日常生活に問題を感じないレベルまで回復します。複数の薬を組み合わせれば9割以上です[※1]

では、どのような薬が使われているのでしょうか。ここでは3種類の薬をご紹介します。

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※1:脚がむずむずしたら読む本/ 井上雄一 P.87 による]

1.「ドーパミン受容体作動薬」は第一選択になる

むずむず脚症候群の治療薬として最初に挙げられるのがドーパミン受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)です。この薬はドーパミンそのものを増やすわけではなく、ドーパミン受容体の働きを活性化するものです。

むずむず脚症候群の原因」で述べたとおり、ドーパミンの機能障害はむずむず脚症候群の原因のひとつと言われています。そのためドーパミンの伝達がスムーズになれば、むずむず脚症候群の解消にもつながります。

ドーパミン受容体作動薬のなかでも、むずむず脚症候群の治療薬として一番使われているのは「プラミペキソール」という薬です。ほとんどの患者さんは日常生活に支障が出ないくらいに回復します。

プラミペキソールには種類(というか商品)が複数あります。有名なのはビ・シフロールとミラペックスLAです。このうち、むずむず脚症候群の治療目的で使えるのはビ・シフロールです。ミラペックスLAはむずむず脚症候群の治療用としては厚生労働省からの認可を受けていません。

なお、プラミペキソールは「周期性四肢運動障害」の症状をやわらげる目的でも使われています。

周期性四肢運動障害とは……
(しゅうきせい しし うんどうしょうがい)

寝ているときに足がピクピクと動いたり、ひじがすばやく動いたりといったことが繰り返される病気。眠っているあいだの動作なので、本人の自覚症状はない。

むずむず脚症候群を発症している方の8割が、周期性四肢運動障害にもかかっているという報告がある。

プラミペキソールのほかにも、ドーパミン受容体作動薬はいろいろあります。状況によってはプラミペキソール以外のドーパミン受容体作動薬を使うこともありますので、代表的なものを載せておきます。

一般名 商品名
プラミペキソール ビ・シフロール
タリペキソール ドミン
ロピニロール レキップ
ロチゴチン ニュープロパッチ 新薬!

新薬のニュープロパッチは皮膚に貼り付ける薬です。ドーパミン受容体作動薬としては世界初の貼付剤で、薬の血中濃度を長い時間保つことができるため、効き目が長持ちします。むずむず脚の症状が夜寝るまえだけでなく、昼~夕方から発生する方にとって、これから重要な薬になっていくと思われます。

ただし、価格はかなり高いです。まずは従来通りプラミペキソールを試して、それで症状が改善されなかったらニュープロパッチを使うというのが良さそうです。

2.「ドーパミン製剤」は長期服用に向かない

現在はあまり使われていませんが、ドーパミン製剤(レボドパ、L-DOPA)もむずむず脚症候群の治療に有効とされている薬です。

ドーパミン製剤は、脳内に入ったあとでドーパミンそのものに変わります。先に述べたドーパミン受容体作動薬が「ドーパミンの受け渡しを改善する」のに対して、ドーパミン製剤は「ドーパミン自体を増やす」ことによって、むずむず脚症候群の症状をやわらげます。

「ドーパミンそのものが増えるから一番効果がありそう!」という感じもするのですが、基本的にはドーパミン製剤はあまり使われていません。長期の服用には向かないという弱点があるためです。

なぜ長期服用に適さないのかというと、それは「症状促進」と「反跳現象」が発生しやすいからです。

症状促進
薬を使っていなかった頃よりも、むずむず脚症候群の症状が強く出たり、早い時間帯に出たりすること。薬の服用開始から3~4カ月以降に、この症状促進が多く発生する。

反跳現象
薬の持続時間が短くなり、深夜や早朝にむずむず脚症候群の症状が再発すること。夜間睡眠がさまたげられ、夜中に目が覚める要因になる。

症状促進や反跳現象は、ドーパミン製剤特有のものではありません。たとえば、プラミペキソールなどのドーパミン受容体作動薬でも、長期間にわたって服用すれば同様の現象が起きる可能性はあります。

しかし、ドーパミン製剤はほかの薬剤と比べて症状促進・反跳現象が発生しやすいことが知られています。実際、ドーパミン製剤を治療薬にしている患者の8割に、症状促進が起きるという調査結果があります。それに対して、ドーパミン受容体作動薬の症状促進は、15~40%の発生率です[※2]

むずむず脚症候群をおさえるためには、継続的(=長期的)に薬を使っていく必要があります。症状促進・反跳現象のリスクを考えると、長期服用に向かないドーパミン製剤には慎重になったほうが良いと言えます。

※2:睡眠医療 特集 レストレスレッグス症候群を巡る最近の話題 P.43 による]

3.「抗てんかん薬」は特定の場合で有効

プラミペキソールなどのドーパミン受容体作動薬を服用しても、むずむず脚症候群の改善が見られない場合は「抗てんかん薬」を使うことがあります。代表的なのは次の2つです。

クロナゼパム〈商品名:リボトリール、ランドセン〉

クロナゼパムは神経系の活動をしずめる作用があります。足のムズムズ・イライラをやわらげるというよりは、むずむず脚症候群のせいで不眠になっている場合に処方されます。

ガバペンチン〈商品名:ガバペン、レグナイト〉

ガバペンチンは、足の痛みが強い場合に使われる薬です。むずむず脚症候群の治療薬としては歴史が浅いですが、日本やアメリカでの臨床試験によって高い有効性が確認されています。

抗てんかん薬は、症状促進や反跳現象が少ないという長所もあります。ドーパミン作動薬が合わない方は、試してみる価値があります。

まとめ

大きく分けて3種類の薬をご紹介しましたが、どの薬を使う上でも覚えておきたいことがひとつあります。

それは「むずむず脚症候群の薬物療法は対症療法なので、薬をずっと使う必要がある」ということです。

つまり長期的に服用しなければならないわけですが、そうなると気になるのが副作用です。使う薬にもよりますが、頭痛やめまい、吐き気などが副作用としてよく報告されています。

しかし、副作用の問題があるとしても、むずむず脚症候群の症状が強いなら薬を使ったほうがベターです。なぜなら、きちんと薬を服用すれば夜ぐっすり眠れるようになり、副作用の影響があったとしても結果的にはトータルのQOL(生活の質)が向上するからです。

注意

「どの薬を使うのか?」に関しては素人判断できることではないので、専門の医療機関を受診して、医師の指示にしたがうようにしましょう。

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